最終更新日:2022年03月07日

クリーム使用はNG?カバン屋がお勧めする、革製品のお手入れ方法

レザーバッグ等をご購入頂きましたお客様より、ちょくちょく頂くご質問なのですが、「革製品って、お手入れが必要なんですか?」というもの。

ご質問頂いた際にはしっかりと回答させて頂いておりますが、こんなベタな話でありながら当店ではほとんどサイトでお手入れの話をしていなかったなと思いまして、本日はカバン屋がお勧めする、革製品のお手入れ方法を、ご紹介していこうかなと思います!

皮革用クリームは、使い方次第で毒にもなります!

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どうも、東ヒマのメガネっ子担当、猪野です。

革製品のお手入れに関して、お問い合わせ頂きましたお客様がまず最初に口にされる事なのですが、「皮革用クリームって、塗った方が良いんですか?」というお話。

これはもちろん、決して間違っているわけでは無いです。がしかし、革製品にとって皮革用クリームは、場合によっては毒にもなります。

その毒となる最たる原因が塗りすぎです。

僕がその昔、初めてレザーブーツを買った時の話なのですが、当時としては非常に高価な買い物だったので、大切に履きたいという気持ちから出かける度にクリームを塗って手入れをしておりました。

また、クリームを塗る程にレザーが飴色に輝くものですから、「クリームは塗れば塗る程、レザーは味わいが増していくんだ!」と思い、暇さえあればクリームをたっぷりと塗っていました。

その結果、美しいヌメ革は次第に表面が泥のようにドス黒くなり、飴色の輝きは消え、何だかドロドロの汚いブーツへと変わり果ててしまいました、、

そう、皮革用クリームの塗りすぎは、革本来の風合いを壊してしまう恐れがあるのです。

私がお勧めする、皮革用クリームの正しい使い方を紹介

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ファイブウッズ(FIVE WOODS) PLATEAU(プラトウ) レザー トートバッグ ブラック 42,900円(税込)

では、皮革用クリームはどのようなタイミングで使用すれば良いのか。

これは手入れをする対象が革バッグなのか革財布なのかによっても変わってきますし、何とも言い難い所ではありますが、個人的な感覚としてはせいぜい月に1回、週1回以上は絶対塗りすぎだと思います。

また、こちらも個人的な意見ではありますが、皮革用クリームによるお手入れは、必要最小限に留めて欲しいというのが僕の考えでして、何なら塗らないで済むのがベストだとすら思っています。

革の状況を見て、ちょっと乾燥しすぎだなとか、なんかパサパサで元気が無いなという時に、しっかりとブラッシングや乾拭きで汚れを落とした後に、薄ーくクリームを塗ってあげるのがコツです。厚塗りしても全く意味が無いどころか逆効果です。

そして、クリームでお手入れをしたらしっかりと陰干しをして、オイルがしっかりと革に馴染んだら乾拭きをして完成、という具合です。

また、長期間使用していたとしても、見た目的に乾燥などの心配が無さそうなのであれば、クリームは別に使わなくて大丈夫だと思います。むしろ、使わない方が良い可能性が高いです。

皮革用クリームを使うか否かは、使用期間ではなく、革の状態を見て判断すべきです。

普段のお手入れとしては、しっかりとブラッシングで汚れを落とし、必要があれば乾拭きをして、風通しの良い所に保管する、これだけやっておけば十分です。

皮革用クリームを超える、最強のお手入れアイテムとは?

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KURODA(クロダ) 羊革 メンズ 手袋 ダークブラウン 11,000円(税込)

革製品のお手入れと言えば皮革用クリームだと思われがちですが、実はそれを超える最強のお手入れアイテムが存在します。

それが、人間の皮脂です。

バッグのハンドル部分だとか革財布とかって、なんだか良い塩梅にエイジング(経年変化)してるなと感じた事は無いでしょうか?それは、掌の皮脂を革が吸収しやすいからなんですよね。

革製品の最高のエイジング結果と言われるのが、表面が飴色に輝き、ペッタリとこなれた風合いに仕上がっている状態というのが王道ですが、そういったエイジングを目指すならば皮脂は必要不可欠、つまり、たくさん使ってあげる事が最も重要なのです。

革も元々は動物ですから、人間の皮脂のようなナチュラルな成分の方が馴染みやすいのかもしれませんね。

革手袋メーカーのクロダ製品に至っては、「革の表面を素手で撫ぜてあげて下さい」というのが、お手入れに関するアナウンスです。

これは、クロダ製品が上等かつデリケートな革を使用している事も一因なのですが、手袋に限らず、革製品は「撫でる」というお手入れが想像以上に有効ですので、是非お試し下さい。

但し、全体的に乾燥が進んでしまっている場合や、汚れが目立つ場合はやはりクリームで手入れをして頂いた方が良いと思います。常に革の調子を見て手入れをする事がポイントです。

革製品につきまとう「カビ」の心配!もっともカビが発生するシーンとは?

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クリームや皮脂でも防げないもの、それが「カビ」です。革製品の寿命は、このカビをどれだけ抑えられるかが大きなポイントとなります。

特に最大級に危険なのが長期間、押し入れにしまうという行為です。これは、どんなに事前に革クリーナーで手入れをして、不織布などで覆っていたとしても、発生する時は発生します。

カビを防ぐ為の最高の対策が、日々コンスタントに使うという事です。例え直接手で触れていなくとも、自然と革が外気にさらされたり、風に吹かれるなどして、カビが成長しにくい環境を作る事が出来ます。

また、押し入れにしまうのではなく、壁に吊るすなどして風通しの良い所に置いておく事が出来るのであれば、絶対にその方が良いです。

押し入れにしまう場合ですが、せめて月に1度は押し入れから取り出して、ブラッシングと乾拭きくらいのお手入れはしてあげた方が良いと思います。

革製品のマメなお手入れと言うのは、実は使っている最中よりも、使っていない時の方が重要だと心得て下さい。

革製品は型崩れもご用心!型崩れを防ぐ正しい革製品の扱い方

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fetia(フェティア) ライロアシリーズ レザー トートバッグ ブラック 25,300円(税込)

革製品の寿命を左右する大きなポイント、そのもう一つは型崩れです。

どんなに高価な製品であれ革製品に型崩れはつきもので、それは何十万もするようなスーパーブランドのバッグだって同じです。

財布などであればある程度大丈夫だと思いますが、やはりバッグが一番危ないですね。また、ブリーフケースのような形がしっかりとあるバッグならまだマシですが、一番危険なのはトートバッグ!油断するとすぐにクシャクシャになってしまいます。

毎日持ち歩くような場合はそこまで気をつけなくても大丈夫だと思うのですが、1週間使わない時もあるような場合だと注意が必要です。

軽いバッグであれば壁に吊るして形を整えておくのが良いと思います。重めのバッグであれば、長期間保管するのであれば、やはり何か詰め物をして保管しておいたほうが安心ですね。

カビの話同様、革製品は毎日使っている内は自然とメンテナンスが出来てしまうのですが、使わない時ほど慎重な手入れが必要です。

お手入れをしても意味の無い革製品とは?

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革製品の中には、はっきり言って、手入れをするまでもない革があります。

まず第一に合皮です。合皮はWikipediaにも記載されている通り、皮革に似せて作られた人工素材ですので、当たり前ですが革ではございません。

なので、いくら皮革用クリームを塗ろうとも意味がありません。強いて言えば、表面が一時的にツヤが出て、汚れが落ちる程度でしょうか。

次に、安物のクロム鞣し革です。こちらは確かに本革ではあるのですが、強力な薬品処理がされており、皮革用クリームなどを塗っても効果が無い場合がほとんどです。

このような素材は、要するにエイジング(経年変化)をしないんですよね。使えば使うほどにボロくなる、つまり経年劣化しかしないのです。

その他、商品毎のお手入れ方法は当店まで個別にご相談下さいませ

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革製品というのはそれぞれ個性があり、お手入れの方法と言っても、それぞれ対処の仕方がかなり違ってきます。

例えばクロム鞣しの中でも強度を優先したような革であれば、特に皮革用クリームを必要としない場合もございます。

フルタンニン鞣しの革はエイジングしやすい反面、乾燥等もしやすいので比較的コンスタントにクリームによる手入れをした方が良い場合が多いですが、当店で取り扱っておりますボーデッサンの革製品なんかですと、同じフルタンニン鞣しではありますが一般的な硬度のある革と違い、非常に柔軟で柔らかな仕上がりとなっておりますので、そこまで神経質にお手入れをする必要は無いと思います。

この辺りのお手入れ方法に関しましては、当店でご購入頂きました商品に関しましては個別に回答させて頂きますので、是非お気軽にご質問下さい。

必要がございましたら、メーカーや工場、デザイナーや職人に直接お手入れの方法を確認する事も可能です。東京ヒマワリお問い合わせ窓口はコチラ

正しいお手入れをして、大切な革製品と末永く付き合っていきましょう!

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ガレリアント(GALLERIANT) TENERO SACCONE トートバッグ ブラック 40,700円(税込)

という事で、「カバン屋がお勧めする、革製品のお手入れ方法」、参考になりましたでしょうか?

何となくのイメージで、価格が高い革製品は頑丈!と、思われている方も多いかと思いますが、その考えは完全に誤りです。むしろ、高価な革製品ほど色々と注意が必要ですね。

多少傷がついても味と言えるという点では革製品は丈夫と言えるかもしれませんが、革はカビも生え型崩れもするという、それなりにデリケートな素材なので取り扱いは多少気を付ける必要があると思います。

がしかし、そんなデメリットを差し引いても魅力的なのが革製品!是非正しいお手入れをして、末永いお付き合いをして下さいね。

ちなみに当店では、当店独自の1年保障がつきますので、1年以内なら無償修理が可能です。初めての本革製品で心配な方にも、なるべく安心して商品をお選び頂けるようサービスを充実させております。

当店では、末永くお付き合い出来る革製品を厳選セレクトしておりますので、是非お店の方も覗いて行ってみて下さい。

という事で、おしまい!東京ヒマワリ ショップページはこちら

クリーム使用はNG?カバン屋がお勧めする、革製品のお手入れ方法」への10件のフィードバック

  1. カワムラ

    先日、こちらのサイトを見させて頂きまして、ボーデッサンほフルタントートバッグを購入させて頂いた者です。
    具体的のお手入れの方法をお聞きしたく、コメントさせて頂きました。クリーム等はなるべく少な目とのことでしたが、使用するにあたり、オススメの商品等ありましたら、教えて頂けると幸いです。
    よろしくお願いします。

    返信
    1. iinon 投稿作成者

      この度は当店をご利用頂きまして、誠にありがとうございます。東京ヒマワリ担当 猪野 でございます。

      お勧めのクリームに関してですが、実は当店でも近々仕入れをする予定となっているのですが、コロンブスという日本メーカーのクリームはとても良いと思います。

      先日もメーカーの方と色々お話をさせて頂きまして、日本メーカーらしい、堅実で丁寧な仕事をされているメーカーです。

      こちらは日本の老舗ケアクリーム専門メーカーなのですが、主に革靴のケアクリームを得意としておりますが、鞄用も非常にクオリティーが高いと思います。

      廉価な物から高価な物まで色々なバリエーションがありますが、品質重視でボーデッサンの鞄に合うのは以下の商品かと思います。

      https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%96%E3%82%B9-%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A0-%E9%9D%A9%E5%B0%8F%E7%89%A9%E7%94%A8-29350000/dp/B00D4K8FNW/ref=sr_1_2?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%96%E3%82%B9+%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A0&qid=1554881042&s=gateway&sr=8-2

      ボーデッサンのフルタンニン鞣し革は、とてもエイジングが豊かな反面デリケートなので、あまり効果の強いクリームを使用してしまうと不自然な経年変化をしてしまい兼ねません。

      こちらのコンディショニングクリームは良い意味で効果が緩やかですので、日々の定期メンテナンスに最適かと思います。

      こちらはコロンブスの最上位となるプレミアムシリーズなので少々お値段は張りますが、ご購入頂いたボーデッサンの鞄も大変高価なバッグですので、クリームもこのくらいのランクを選ばれても良いかなと思います。

      とは言え、コロンブスの廉価なシリーズも十分クオリティーは高いです。しかし、ツヤ出し系など目に見えて色味が変化するようなクリームは、せっかくのボーデッサンの革の風合いを殺しかねないので、避けた方が無難かなと思います。

      また、クリームによるお手入れに関してですが、上記のプレミアムシリーズであれば、ある程度コンスタントにご使用頂いても問題無いかなと思いますが、個人的には月1でも十分過ぎると思います。

      ボーデッサンの革は、自然使用による経年変化が何よりも魅力ですので、自分の場合は多くても年2~3回程度のケアに留めると思います。

      ちなみに、メーカーの担当の方は何個もボーデッサン製品を所持しておりますが、基本的にクリームは使用しないと仰っており、自然な経年変化を重視しております。

      クリームによるメンテナンスも重要ですが、何よりも、毎日大切に使って頂く事が最高のメンテナンスになると思います。

      何かに下敷きにしたり、あまりに重い物を入れる等、型崩れの原因になるような事をしない事も重要です。

      但し、ボーデッサンのフルタンニン鞣し革は、雨の日は注意してご使用頂いた方が良いと思います。経年変化が豊かというのは、水分を含みやすい事でもありますので、雨に濡れるとシミなどの原因になり得ます。

      しかし、防水スプレーなど使用してしまうと、特にボーデッサンの革は経年変化の妨げにもなってしまいますので、微妙な所ですね。

      自分の場合は、ボーデッサン製品にとって経年変化は最大の魅力なので、雨には注意しつつ、防水スプレーは使用しないと思います。

      ほこりなど汚れによるカビの発生は注意したい所ですので、定期的にブラッシングをするのはとても有効だと思います。

      汚れ落としのブラシは馬毛が一般的です。尚、豚毛のブラシは、一般的には靴などにクリームを塗り込む際に使用します。

      コロンブスからも馬毛ブラシは販売されております。お持ちで無いようでしたら、こちらも是非ご検討頂ければと思います。ドイツ製のジャーマンブラシで、サイズもバッグに最適ですし、品質もコスパも大変良いと思います。

      https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%96%E3%82%B9-columbus-%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%B7-%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%B72-%E9%A6%AC%E6%AF%9B/dp/B001NEM5MI/ref=sr_1_5?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%96%E3%82%B9+%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%B7&qid=1554881504&s=gateway&sr=8-5

      話始めるとまだまだ色々ありますが、特に重要な所は上記のような点かと思いますので、是非参考になれば幸いでございます。

      長文失礼いたしました、また何かご不明な点がございましたら、お気軽にご相談下さい!

      返信
  2. アオキ

    先日こちらでフェティアのトートバッグを購入させて頂きました。お伺いしたい事があるのですが、こちらのトートバッグは牛革製なのですが、お手入れ又は予防としてクリームや防水スプレーなどはした方がいいですか?若しくはしたら害になりますか?
    お願いします。

    返信
    1. iinon 投稿作成者

      アキオ様

      コメント、誠にありがとうございます。東京ヒマワリ担当 猪野 でございます。

      メールアドレスでお調べさせて頂きました所、ご注文頂いた商品はフェティアのライロアシリーズトートバッグでした。こちらのバッグはクロム鞣しのシュリンク型押し牛革となります。

      一般的には経年変化が少ないクロム鞣し革ですが、こちらのバッグに使用されている革は中々経年変化も味があり、大事にご使用頂けますとツヤが増してこなれた雰囲気に仕上がっていきます。

      お手入れに関してですが、水や汚れに強いクロム鞣し革で、おまけにブラックですので、そこまで慎重なお手入れは必要としないバッグです。

      クリームの使用に関しては、私の感覚と致しましては、コンスタントにご使用頂いている場合であれば、2~3ヵ月に1回程度、クリームによるケアをして頂ければ十分だと思います。

      ちなみに、メーカーはノーメンテナンスを前提に開発しておりますので、クリームを使用しなくても問題はありませんが、上記のように2~3ヵ月に1度くらい薄めにクリームを塗って頂けますと、より経年変化が良くなると思います。

      但し、クリームを使用しなくとも良い感じに艶が出て味のあるエイジングをする場合も往々にしてございますので、そういった場合は無理にクリームを使用する必要は全く無いと思います。

      当ブログでも申し上げました通り、革の調子を見てクリームは使用するべきです。

      表面がなんだかパサパサして元気がない、何だか色味が薄い、そういった時にクリームを使用すると良いと私は思います。
      ※革のメンテナンスは様々な考え方があり、あまり断言的な書き方をするとトラブルの元になるので、あえて個人的な考えという内容で提案しております

      ブラッシングに関しては、毎日とは言いませんが、気づいた時に(感覚としては週に1回程度)行って頂ければ、ますます良いと思います。

      ほこりなどがカビの原因になって、少しずつ生地を劣化させるので、出来る限り清潔な状態で使う事は大変良い心掛けだと思います。

      型崩れは起こりますので、長期間使用しない場合は詰め物をして保管する等注意して頂きたいです。

      また、普段の使い方も、あまり鞄をギュッと押しつぶすような持たれ方をすると、寿命が短くなりますので、出来る限りダメージを与えないよう、優しく大切にご使用頂けると良いと思います。

      また、カビなども注意が必要です。毎日使用している場合は良いのですが、やはり長期間保管するような場合は注意が必要です。

      地面に置く時なども注意が必要です。特にバッグの角は何度も強くぶつけるとダメージが蓄積していきますので、地面に置く時は底鋲(底面の金具)で置くようなイメージで、本革部分には出来る限りダメージを与えないように気をつけて下さい。

      こちらのバッグはスマートなビジュアルを優先し、バッグ角に当て革など配置していないタイプのトートバッグですので、特にこういったバッグは地面に置く際に常に優しく置いて頂きたいです。その積み重ねが長年バッグを綺麗に使い続けるコツです。

      防水スプレーは、個人的にはどちらでも可という革かなと思います。少し雨に降られた程度で素材感が悪くなってしまう革ではありませんので、自分の場合は、あまり雨には当てないよう注意しつつ、防水スプレーは経年変化の妨げにもなるので使用しない、という判断になると思います。

      しかし、長年使用していく中で雨によるダメージは少しづつ蓄積していきますので、長年綺麗なまま大切に使用したいという場合は、防水スプレーは有効かと思います。

      こちらのバッグは経年変化も楽しめるとは言え、基本的には綺麗に使用して頂いた方が良い鞄ですので、スプレーを振る手間などが苦で無いのであれば、使用して頂いて良いと思います。革もオールブラックですので、スプレーによる不自然な経年変化も起こりにくいと思います。

      以上、思いつく限りメンテナンスのコツをご紹介させて頂きました。少しでも参考になればと思いますので、何卒宜しくお願い致します。

      返信
      1. アオキ

        ご丁寧にありがとうございます。
        一概には言えず、色々な考え方があるんですね。とても参考になりました。
        大切に長く使わせて頂きます。

        返信
        1. iinon 投稿作成者

          アキオ様

          お返事頂き誠にありがとうございます。東京ヒマワリ担当 猪野 でございます。

          私の長い話を読んで頂き、心より感謝申し上げます。また何か分からない事がございましたら何でもご相談頂ければと思いますので、今後とも何卒宜しくお願い致します。

          返信
  3. muto

    ボーデッサンのフルタンニン鞣し革の日焼け対策について質問させていただきます。
    ・この革の場合、UVカットの成分が入ったクリームは必要ではないのでしょうか。あるいは、ご推奨されているコンディショニングクリームには、UVカット効果があるでしょうか。
    ・数か月に一回程度のケアでよいとのことですが、購入直後には何もしなくてよいでしょうか。
    以上です。
    よろしくお願いいたします。

    返信
    1. iinon 投稿作成者

      muto様

      お問い合わせ、誠にありがとうございます。
      東京ヒマワリ担当、猪野でございます。

      ご相談頂きました革の日焼け対策に関する件を、ご回答させて頂きます。

      当ブログでご紹介しておりますクリームにはUVカット効果がございませんが、同じくコロンブスプレミアムシリーズにUVカット機能付きのクリームがございます。以下の商品となります。
      https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%96%E3%82%B9-%E3%83%8C%E3%83%A1%E9%9D%A9%E7%94%A8%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A0-%E9%9D%A9%E5%B0%8F%E7%89%A9%E7%94%A8-29960000/dp/B073J6H37S

      革の日焼けを気にされる場合は、上記のようなクリームを使用すればある程度ではございますが対策が出来るかなと思います。

      しかし、こういったクリームは日焼けによる経年変化を緩やかにするに留まる効果となりますので、こちらのクリームを使用したとしても長時間直射日光には当てない等の工夫が必要になるかと思います。

      私個人の価値観と致しましては、日焼けによる経年変化もエイジングの内だと考えておりますので、保湿機能のみのクリームを使用して、革の自然な経年変化を楽しむ事を前提にメンテナンスに関するご案内をしております。

      もちろん長時間直射日光に当て続ける等事は、日焼け以外にも色々なトラブルの元となりますので推奨しておりませんが、日常使用内での日焼けはエイジングの内だと考えており、何よりあまり細かい事を気にせず伸び伸びと革製品をご愛用頂いた方が気持ちが良いと思うので、お勧めとさせて頂いております。

      また、クリームなどを駆使して出来る限り購入時の風合いを長期間キープしたいという場合は、そもそもフルタンニン鞣しの革を使用したバッグは選ばれない方が無難かと思います。フルタンニン鞣しの革は、どれだけ気を遣ってケアをしても、少なからず色味の変化などは起こりますので、そういった場合はクロム鞣しの革を使用したバッグを選ばれた方が安心かなと思います。

      また、購入直後のメンテナンスに関してですが、当店の指針としましてはケア不要とご案内させて頂いております。

      こちらも前述の通り、日常使用の日焼けなどの経年変化は味の内という考えでおりますので、UVカットの他、防水スプレーなどの使用も推奨はしておりません。

      それらのケア用品は、確かに紫外線や雨などの影響を低減できると思いますが、逆の視点で考えれば自然な経年変化を阻害していると捉える事も出来ます。

      特にフルタンニン鞣しの革は、革の変化がし易く、だからこそ変化を楽しむ製品だと考えております。

      クリームを使用するのは、極端に乾燥が進んで革が劣化するのを防いだり、カビが生えないようクリーニングの意味も含んでの事でございます。

      極端な乾燥やカビの発生も、ある意味で自然な経年変化とも言えますが、さすがに見苦しい変化だと思うので、その一線を越えないようにするのが当店の考えるメンテナンスの根本的な目的でございます。

      とは言え、「デリケートな製品だからこそ日常使用中も様々な事に気を遣って、使い終わった後もしっかりとメンテナンスをするのが正しい革製品との付き合い方」、といった考え方もございますので、明確に正解と言えるようなメンテナンス方法は無く、極論を言えばどのように使って頂いても構わないというのが実の所でございます。カビが生えていた方が味があって格好良いと思われるのであれば、それすらもアリかと思います。(極論ですが)

      長くなってしまいましたが、革製品のメンテナンスは本当に様々な考え方があり、明確にこれが正解というような言い方や、少しの言葉選びによっても大きな誤解を生んでしまう場合がございますので、当コメントは他の方も見られる可能性がございますので、なるべく丁寧にご返答させて頂きました。

      少しでも参考になれば幸いでございます。

      返信
  4. 奥 耕二

    私は革製品が大好きで、色んな製品を使ってます‼。 使っていると何だかステキな気分になります‼。

    返信
    1. iinon 投稿作成者

      コメントありがとうございます、東京ヒマワリの担当、猪野でございます。

      革製品、もちろん私も大好きです!本革の繊細で豊かな風合いは、何にも代えがたい美しさや魅力があると思います!

      人類は200万年前の旧石器時代から革を生活の素材として利用してきたそうですが、きっとその頃の私達の祖先も、同じように革に魅力を感じていたと思います。ステキですね!

      返信

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