本革バッグに防水スプレーは必要?経年変化への影響を解説

本革バッグに防水スプレーは必要?経年変化への影響を解説
当店で本革バッグをご購入頂いた方から寄せられるご質問で多いのが「防水スプレーは使用した方が良いのでしょうか?」という内容です。

一見すると防水スプレーの使用はメリットしか無いように思われるかもしれませんが、実は様々なデメリットもある選択肢となります。

本日はカバン屋である私が、本革バッグと防水スプレーの関係性について詳しくご紹介していきます。

東京ヒマワリ 猪野

どうも、東京ヒマワリの猪野です。

本革バッグは雨に弱いというイメージをお持ちの方が、まず最初に思いつくであろう対策、それが防水スプレーの使用です。

ザックリとした結論から言うと、新品時の状態をなるべく長く維持したい人は防水スプレーを使用する期待値が高いです。

逆に、自然な経年変化を楽しみたい方の場合は、防水スプレーの使用は一考する必要があります。

この話は、どんな革を使用したバッグなのか、どんな効果がある防水スプレーなのか、使用者が何を優先するのか、この3点が絡むので一言で結論を述べるのが難しいです。

その為、本日のブログも長文になってしまうと思うのですが、新しく購入した本革バッグで失敗したくない方は、是非じっくりと読んで頂ければと思います。

大きく分けて2つある、代表的な革の種類について

大きく分けて2つある、代表的な革の種類について

世の中には様々な革がございますが、大きく2つの代表的な革として「クロム鞣し革」と「タンニン鞣し革」の2種類があります。

本革バッグに防水スプレーを使用するか否かを検討する際には、まずはそのバッグに使用されている革が、クロム鞣し革なのか、タンニン鞣し革なのかを知る事が近道です。

この2つの革は、同じ本革とは言っても性質が全く異なりますので、防水スプレーを使用した際の影響にも大きな違いがあるからです。

まずは簡単に、この2種類の革素材についてご紹介させて頂きます。

クロム鞣し革とは?

クロム鞣し革とは?

クロム鞣し革というのは、大雑把に言えば化学薬品で加工を行った革です。

19世紀に開発された比較的新しい素材ですが、現在世の中で流通する革素材の7~8割が、このクロム鞣し革だと言われております。

クロム鞣し革は生産コストが低い事に加え、水分などによる変化がしにくい事が特徴です。

その反面、本革素材本来の繊細さや経年変化は乏しくなってしまう傾向があります。

但し、実際にはある程度経年変化が楽しめる素材や、コストをかけた高級なクロム鞣し革も存在しますので一概には言えないのですが、今回のブログでは代表的なクロム鞣し革を想定してお話を進めさせていただきます。

タンニン鞣し革とは?

タンニン鞣し革とは?

タンニン鞣し革というのは、植物由来の成分(タンニン)で加工を行った革です。

また、化学薬品を使用せずに鞣し加工を行った素材は「フルタンニン鞣し革」と呼ばれています。

タンニン鞣し革は紀元前から使用されてきた非常に歴史の長い革素材で、クロム鞣し革が登場するまでは革素材の主役でした。

しかし、加工をするのに数週間を要する場合もあり、大量生産や低価格化が難しく、現代では短期間で処理しやすいクロム鞣し革が主流となりました。

しかしながら、革本来の繊細さや経年変化を楽しめるといった点で、現代でも革製品好きに愛され続けている素材です。

鞣し方法だけでは決まらない、防水スプレーとの相性

鞣し方法だけでは決まらない、防水スプレーとの相性

クロム鞣し革とタンニン鞣し革が、流通する本革製品の2大巨頭である事や、それらの性質が防水スプレーを使用した際の影響を大きく左右する事は事実ですが、それ以外にも様々な要因がある事だけは先にお伝えしておきます。

クロム鞣し革であってもシミが出来てしまうケースもありますし、タンニン鞣しであってもオイル加工等によって一定のシミ耐性がある場合もあります。

あまりに細かく事実ベースで話を進めてしまうと、ものすごく話が長くなってしまうので、今回のブログでは大まかな傾向といった前提でご紹介させて頂きます。

本ブログの後半では具体的な製品を例に挙げて細かな特性の違いをご紹介しておりますので、そちらも是非参考にして頂ければと思います。

防水スプレーの種類について

防水スプレーの種類について

皮革用の防水スプレーは様々なメーカーが販売しておりますが、ほぼ共通している効果は、撥水性と防汚機能を高めるというものです。

また、それらの機能に加え、紫外線カット効果を備えた製品もございます。

防水スプレーの選び方としては、使用されるバッグの革に適応しているか否かが最重要ですが、紫外線カット効果があるか無いかについても注目して選ばれると良いと思います。

詳細は後述致しますが、本革バッグにとって紫外線は、生地を傷めるダメージとなる一方で、革の色味を濃く深くする要因にもなりますので、選ばれたバッグや育成方針によって選ぶべき防水スプレーは変わってくるでしょう。

それに加えて、製造メーカーの信頼性も重要視すべきポイントです。

防水スプレーは誤った使用によって重い健康被害が起こる場合もあり、殺虫剤などと同様に相応の危険性を備えた道具です。

本革用の防水スプレーを選ぶのであれば、日本を代表するレザーケア製品メーカーのコロンブスや、英国の老舗メーカーの系譜で現在は日本メーカーが企画管理を行うM.MOWBRAY(エム・モゥブレィ)の製品は安心感がありますね。

また、ドイツの老舗メーカーCollonil(コロニル)の製品も大定番です。

もっと安い製品も色々ありますが、化学薬品を含む製品の良し悪しは判断がとても難しい所なので、本革製品が得意かつ、長年の実績があるメーカー製品を選ぶほうが安心感は高いと思います。

防水スプレーを使用するデメリット

防水スプレーを使用するデメリット

防水スプレーは、コストや労力といった面以外に関してはメリットしか無いと思われるかもしれませんが、様々なデメリットも存在します。

最大の懸念点は、本革の自然な経年変化を阻害してしまう可能性があるという事です。

防水スプレーを使用したとしても、ある程度の吸水などはされますし、皮革用クリームを使う事も出来るので、まったく経年変化が起こらなくなるといった強力な変化にはならないでしょう。

しかし、合成撥水成分を革表面・表層に付与し、水や油の浸透の仕方を変えるため、極力ナチュラルな変化を求める方にとってはマイナス要因がゼロとは言えません。

また、防水スプレーというのは永続的に定着するものではなく、摩擦等によって部分的に効力が薄まってしまう場合もあります。

その為、防水成分の濃淡によって、不自然な経年変化が起こってしまう可能性もあります。

だからこそ、防水スプレーを使用する場合は継続的かつ丁寧な使用が必要になってきますので、そういった労力やコストを覚悟出来るかというのも検討ポイントとなります。

防水スプレーを使用する際の注意点

防水スプレーを使用する際の注意点

防水スプレーの取扱説明書にも必ず記載されている事ですが、スプレーを使用する場合はマスクを着用して、風通しの良い屋外で、風向きに注意しながら使用するようにして下さい。

また、子供や動物など、周囲の環境にも十分注意して使用して下さい。

防水スプレーというのは、物体の表面に吸着して撥水性を高める成分が含まれています。

だからこそ吸入してしまうと、肺などに異常をきたしてしまう場合があります。

実際に近年でも同様の事故は発生しており、特に屋内で換気もせずに使用してしまった場合に起こりやすいです。

それなりに危険度が高いスプレーですので、使用する際は説明書をよく読んで使うようにして下さい。

クロム鞣し革&新品時の状態を維持したい場合

クロム鞣し革&新品時の状態を維持したい場合

革やスプレーの紹介が終わりましたので、ここからは素材や目的毎に防水スプレーを使用するか否かを考えていこうと思います。

まずは、クロム鞣し革のバッグに対して、新品時の状態を出来るだけ維持したいと考える場合についてです。

これは明確に、防水スプレーを使用するメリットが勝ると思います。

元々、水に対して強さのある素材ですので、防水スプレーを使用する事による影響力も低めではありますが、防水スプレーを使用する事によるデメリットがほぼ無いというのが判断のポイントだと思います。

特に、紫外線カット効果があるスプレーは期待値がとても高いと思います。

クロム鞣し革は紫外線によって色が褪せたり品質が劣化しやすかったりする傾向がある為です。

新品時は張り切って防水スプレーを使っていたものの、段々面倒くさくなって使わなくなってしまったというパターンであっても、大きな問題は起こり難いと考えられます。

数年単位で考えた場合、防水スプレーを定期的に使用する運用の方が、バッグを長く綺麗なまま使い続けられるだろうと考えられますね。

クロム鞣し革&経年変化を楽しみたい場合

クロム鞣し革&経年変化を楽しみたい場合

次は、クロム鞣し革のバッグに対して、経年変化を楽しみたいと考える場合についてです。

この場合、防水スプレーを使用する期待値はそれほど高くないと思います。

一般的なクロム鞣し革の場合、仮に雨に降られてしまったとしても致命的なダメージになる事は少ないです。

だからこそ、「経年変化は楽しみたいけど、雨は心配だな」というような方であれば、私は過度の心配は不要ですと回答するでしょう。

変化の少ないクロム鞣し革のバッグで、出来るだけ経年変化を楽しみたいのであれば、防水スプレーよりも皮革用クリームで定期的に磨く事が大事だと思います。

クリームを使用する事で経年変化を促すと同時に、油分を含ませておく事で雨によるダメージを未然に防ぐといった事にも期待出来ます。

但し、革によってはどれだけ入念に手入れをしても経年変化が全く進まない場合もありますので、それは事前に革の特徴をチェックしておく必要があるでしょう。

タンニン鞣し革&新品時の状態を維持したい場合

タンニン鞣し革&新品時の状態を維持したい場合

次は、タンニン鞣し革のバッグに対して、新品時の状態を出来るだけ維持したいと考える場合についてです。

この場合、防水スプレーを使用する余地はあるものの、一考する必要はあると思います。

まず大前提として、タンニン鞣し革のバッグを選んだ時点で経年変化が起こる事は避けられないと考えて下さい。

本当に新品時の状態を維持したいのであれば、そもそもタンニン鞣し革の製品を選ばないという選択がとても重要です。

それを踏まえてでも、タンニン鞣し革のバッグを出来る限り新品時の状態を維持して使いたいというのであれば、防水スプレーの使用は有効だと言えるでしょう。

しかしながら、それでも経年変化は防げないと思います。

防水スプレーというのは革の表面に強力な膜を張るようなものではなく、撥水性を高めて局所的な吸水を避けるものだからです。

経年変化を完全に起こしたくないのではなく、雨によるシミのようなトラブルを回避しながら、緩やかな経年変化を迎え入れたいというのであれば、防水スプレーの使用はありだと思います。

また、タンニン鞣し革に防水スプレーを使用する場合は、綺麗にまんべんなくスプレーを噴射し、しっかりと乾燥させる事、使い始めてから数ヵ月は、定期的に防水スプレーを使用する事もポイントになります。

新品でバッグを購入し、安易に最初の1回だけ雑にスプレーを使用し、そこからの手入れはサボってしまう等のケースでは、部分的に不自然な経年変化が起こってしまう場合もあるので注意が必要です。

タンニン鞣し革&経年変化を楽しみたい場合

タンニン鞣し革&経年変化を楽しみたい場合

次は、タンニン鞣し革のバッグに対して、経年変化を楽しみたいと考える場合についてです。

この場合は特に判断が難しいケースです。革素材のキャラクターによって左右される他、バッグの色味、具体的にどんな経年変化を期待しているのかによって選択肢が複雑に変わります。

経年変化を楽しみたいけど防水スプレーの使用も考えている人は、基本的に雨などによるトラブルを懸念されているのだと思います。

オールブラック、もしくはダークブラウンなど濃い色味のバッグであれば、雨などによるシミの被害は起こり難いので、防水スプレーは使わない方が総合的な期待値があると個人的には思います。

それに対して、明るいベージュ色のヌメ革の場合は、経年変化を楽しみたい場合であっても防水スプレーの使用は一考の余地があると思いますね。

ヌメ革は一回のトラブルによって取り返しがつかない程のシミがついてしまう場合がある為です。

多少シミっぽくなってしまってもOKと考える方であれば、雨に降られても許容範囲の変化に収まると思うのですが、綺麗にまんべんなく飴色に変化させたいと考える人の場合はガッカリ度が高くなるでしょう。

前述した通り、タンニン鞣し革に防水スプレーを使用する場合は丁寧な作業が必要であると同時に、ある程度継続的な作業も必要になります。

そちらに関しては次章で詳しくご紹介させて頂きます。

明るい色味のヌメ革(タンニン鞣し)等に防水スプレーを使用する場合の注意点

明るい色味のヌメ革(タンニン鞣し)等に防水スプレーを使用する場合の注意点

明るい色味のタンニン鞣し革は、雨などによってシミが出来やすい素材です。

個人的な感覚としては、そういったシミも本革製品の味わいと考えておりますが、出来る限りそういった変化を避けたい場合は防水スプレーの使用が有効です。

まず防水スプレーに関しては、紫外線カット効果が無いものを選ばれる事をオススメ致します。

革というのは紫外線の影響によっても色味が変化していきます。しかし、紫外線と言うのは水滴のような局所的なシミは基本的に出来ません。

クロム鞣し革の場合、紫外線は色味を褪せさせる場合がありますが、ヌメ革の場合は基本的に色味を濃くするので、飴色の経年変化を求める場合に紫外線はある程度歓迎すべき要素だと言えます。

防水スプレーを使用する場合は、バッグ本体から離してまんべんなく吹きかけるようにして下さい。

この作業を横着して雑に行ってしまっては元も子もありませんので、しっかりと環境を整えて慎重に作業しましょう。

防水スプレーを使用すると、革の性質やスプレーにもよりますが、バッグ全体が水に濡れたようにワントーン暗くなると思います。それが出来たら、しっかりと乾いて色味がある程度戻るまで待ちましょう。

そしてしばらく使用したら、また同じように防水スプレーを使用します。

そうしていく内に、バッグ全体がまんべんなく緩やかに経年変化していくと思います。

ある程度バッグ全体がトーンダウンしてきたら、徐々に防水スプレーを使用する間隔を広げていきます。

そして最終的には、仮に雨に降られてもシミが目立たないくらいに革全体の色味が濃くなって参りますので、そうしたらあとはスプレー使用を継続するなり中断するなり、ある程度自由に扱って頂いて良いと思います。

明るい色味のヌメ革(タンニン鞣し)は、意図的に日焼けさせるのもアリ

明るい色味のヌメ革(タンニン鞣し)は、意図的に日焼けさせるのもアリ

紫外線の影響も敏感に反応してしまうヌメ革は、使用開始前に1週間程度の時間をかけて意図的に日焼けさせる事も有効です。

日に当てる事で革の油分によって表面に保護膜が形成され、まだらな日焼けをある程度未然に防ぐ事が可能になります。

具体的な方法としては、窓際など日の当たる所にバッグを置き、正面、裏面、底面など、何度か置き方を変えてまんべんなく日焼けするようにします。

そうしてある程度色味が変化した後に、防水スプレーや皮革用クリームでケアをする流れとなります。

日焼け後に防水スプレーと皮革用クリームのどちらを先に使用するかについては、防水スプレーによって推奨手順が異なります。使用する製品の取扱説明を参考にすると良いでしょう。

個人的には先に防水スプレーを使ってからクリームを使用する方が、クリームによる局所的なシミを緩和出来るように思うので良いかなとは思っています。

具体例① クロム鞣しエピタイプ型押しレザー(ブラック)

ペッレ モルビダ(PELLE MORBIDA) エピレザー ブリーフバッグ ブラック

ペッレ モルビダ(PELLE MORBIDA) エピレザー ブリーフバッグ ブラック 69,300円(税込)

ここからは、当店で販売している具体的な製品を例に挙げて、防水スプレーの使用が有効か否かを検討していこうと思います。

是非、ご自身のバッグに近いキャラクターの例を参考にして頂ければと思います。

まずは、日本の高級バッグブランドの一翼を担う「PELLE MORBIDA(ペッレ モルビダ)」のビジネスバッグです。

こちらのバッグはクロム鞣し革に対して、いわゆるエピタイプの型押しをしたレザーを使用しております。

こちらのバッグは、ある程度手放しで防水スプレーの使用を推奨出来ます。

この革は顔料仕上げである事に加えて、プレス等の加工影響によって、経年変化は良くも悪くも乏しい素材です。

そして、このバッグは新品時の状態が明確に最高潮といったタイプですので、出来る限り綺麗に使い続ける事が使用する上でポイントになります。

スプレーを使用した事によるデメリットはほとんど無いと考えられますので、丁寧に長年使っていきたいという方は防水スプレーを使用してみると良いでしょう。

具体例② クロム鞣し型押しシュリンクレザー(ブラック)

fetia(フェティア) ライロアシリーズ シュリンクレザー トートバッグ 縦型 ブラック

fetia(フェティア) ライロアシリーズ シュリンクレザー トートバッグ 縦型 ブラック 30,800円(税込)

次は、日本のセレクトショップの受託製造等も手掛ける日本のバッグメーカー「fetia(フェティア) 」のレザートートバッグです。

こちらのバッグは、イタリアの名門タンナーであるマストロット社が手掛けた、シュリンク型押しクロム鞣し革を使用しております。

新品時の状態を維持して長年綺麗に使い続けたいという方であれば防水スプレーの使用は有効です。

しかし本製品はある程度の経年変化も楽しめるクロム鞣し革ですので、皮革用クリームだけで磨きながら使っていくのも大いにアリです。

雨によるシミ等の心配はほとんど無いタイプの革ですので、極端に雨を恐れる必要は無い革だと思います。

なので、防水スプレーの使用は有効である一方で、無理して使用するほど慎重になる必要性も無いかなと思いますね。

具体例③ フルタンニン鞣し型押しシュリンクレザー(ブラック)

ボーデッサン(BEAU DESSIN) フルタンニン鞣し シュリンクレザー ブリーフケース ブラック

ボーデッサン(BEAU DESSIN) フルタンニン鞣し シュリンクレザー ブリーフケース ブラック 63,800円(税込)

次は、日本の老舗バッグブランド「BEAU DESSIN(ボーデッサン)」のレザービジネスバッグです。

こちらのバッグは、フルタンニン鞣し革にシュリンク型押し加工を行った素材を使用しております。

フルタンニン鞣し革の場合は基本的に防水スプレーの使用は慎重になる必要がありますが、本製品に関しては長く綺麗に使っていきたい場合は使用して良いと思います。

ボーデッサンが使用する国産のフルタンニン鞣し革(※)は、高温多湿な日本の気候を想定した調整となっております。

更に型押しシュリンク加工も相まって、経年変化がある程度豊かでありながら、水によるトラブルが起こり難いといった特徴があります。

なので、防水スプレーを使用した事によるトラブルも起こり難いと考えられます。

また、ビジネスバッグという道具の都合上、クタクタに使い込むよりも、ある程度は綺麗なままで使い続けた方が見栄えが良いと思います。

雨によるトラブルもある程度は起こり難いので、皮革用クリームのみで磨き上げて本革バッグ特有の艶を出していくのも良いですが、防水スプレーを使って緩やかな経年変化を促す方針もアリだと思います。

※国産革とは国内で製革された革を指し、原皮の産地が国内とは限りません

具体例④ フルタンニン鞣し仔水牛革(ブラック)

ボーデッサン(BEAU DESSIN) バッファローカーフ トートバッグ ブラック

ボーデッサン(BEAU DESSIN) バッファローカーフ トートバッグ ブラック 49,500円(税込)

こちらも同じくBEAU DESSIN(ボーデッサン)製品です。

こちらのバッグは、フルタンニン鞣しの仔水牛革を使用しております。

防水スプレーの使用はアリではありますが、個人的にはどちらかと言えば非推奨ですね。

バッファローカーフと呼ばれる本製品の革素材は、ボーデッサンが国内タンナーと共同開発した革で、ブランドを代表する素材の1つです。

繊細で味わい深い素材感に加え、オイル加工による色気ある艶が魅力の素材です。

この素材の良さが本製品最大の長所となりますので、少なからずその素材の自然な経年変化や質感を阻害してしまう可能性のある防水スプレーは、なるべくなら使用しない方が良いかなと私は思います。

雨によるトラブルも、本製品はオイル仕上げという事もあって比較的起こり難いと言えます。

色もブラックですのでシミが目立ち難く、使い込む程に全体が深いブラックになっていくので、仮に少しシミっぽくなっても最終的にはほとんど目立たなくなってしまうでしょう。

私がこのバッグを扱うなら、防水スプレーではなく、石油系成分不使用のハイエンドなレザークリームを使って、定期的にじっくりと磨き上げて育てていきます。

その一方で、一切クリームを使用しなくても、それはそれで革本来のワイルドな味わいを楽しむ事も可能です。

このクラスの革になると僅かな質感の変化も気になってくる領域になりますので、余計な事はせずに素材本来のポテンシャルを最大限引き出す事に注力する事を個人的にはオススメ致します。

具体例⑤ フルタンニン鞣し成牛革(ブラウン)

ボーデッサン(BEAU DESSIN) ウォッシュガーメント ワンショルダー ブラウン

ボーデッサン(BEAU DESSIN) ウォッシュガーメント ワンショルダー ブラウン 44,000円(税込)

同じくBEAU DESSIN(ボーデッサン)製品です。

こちらのバッグは、フルタンニン鞣しの成牛革を使用しております。

前述した通りボーデッサンの使用するフルタンニン鞣し革は水や湿気に比較的強いですが、本製品はブラウンという事でシミのリスクは高めの素材というのがポイントです。

ビジネスバッグ用途として出来るだけ長く綺麗なまま使いたいという事であれば防水スプレーの使用は有効だと思いますが、本製品も革の経年変化が大きな魅力の素材なので、気にならない方は是非そのままお使い頂きたいバッグです。

この革は、少し雨粒が当たった程度であれば多少撥水するのですが、例えば濡れた雑巾などで拭くとハッキリと吸水し、場合によってはシミになってしまう可能性もあると言えます。

しかしながら、こういった革はシミも味わいだと個人的には思います。

特にこの革は、原皮のキャラクターを忠実に生かす事をテーマに開発された革で、このナチュラルな雰囲気が大きな魅力です。

防水スプレーによって、この魅力が明確に削がれるとは思わないのですが、個人的にはやはり余計な事はしたくないなと感じますね。

具体例⑥ イタリア製フルタンニン鞣し牛革(ナチュラル)

CI-VA(チーバ) イタリア製 トスカーナ産フルタンニン鞣し牛革 トートバッグ ナチュラル

植物タンニン鞣しの伝統で世界的に知られるイタリア・トスカーナ地方で、歴史あるレザーバッグメーカー「CI-VA(チーバ) 」のトートバッグです。

こちらのバッグは、トスカーナ伝統の製法で作られたフルタンニン鞣し牛革が使用されております。

まさにこの革こそが、デリケートな革素材の代表格です。

一滴の雨粒も瞬時に吸水する程で、特に新品時はワンミスで永久的なシミをこさえてしまう可能性があります。

ブラックやダークブラウンならマシですが、特にこのナチュラルは強力に吸水し、ハッキリとシミを生みます。

防水スプレーの使用は、ここまでお話した通りメリットとデメリットが共に存在します。

出来るだけ緩やかで均一な経年変化を望み、丁寧に作業を出来る自信と覚悟がある方は、防水スプレーの使用に踏み切っても良いと思います。

ちなみに私は本製品を使用しておりますが、防水スプレーは使用しておりません。

その為、外出先でお手洗いを利用した際の水しぶきや、夏場に汗が垂れたり等、様々な要因でシミが出来ておりますが、これも味わいの内と受け入れております。

とは言え、さすがに新品を初日から雨の日に持ち出す勇気は無いですね。

雨の心配ない日を選んで、自然な日光浴をさせるイメージで日に当てて使用し、ちょっとずつ慣らす所から始めるでしょう。

そして数ヵ月経過した後にレザークリームで撫でるように磨いて、少しずつ理想のトーンに近づけていくようにします。

特に注意すべきことは、アルコール消毒スプレーです。

水しぶき程度であればシミになっても大したことないのですが、アルコールはかなり強いシミになってしまいます。

外出先でアルコールスプレーを使用する際は、細心の注意をはらって下さいね。

具体例⑦ 混合鞣し牛革(ブラウン)

ファイブウッズ(FIVE WOODS) PLATEAU(プラトウ) レザー トートバッグ ブラウン

ファイブウッズ(FIVE WOODS) PLATEAU(プラトウ) レザー トートバッグ ブラウン 64,900円(税込)

日本で130年以上の歴史ある高級バッグブランド「FIVE WOODS(ファイブウッズ)」のレザートートバッグです。

こちらのバッグは、クロムとタンニンを掛け合わせた混合鞣し革というものを使用しております。

本製品は元から撥水性が高い素材の為、基本的には防水スプレーは不要だと思います。

スプレーを使用する事による悪影響は少ないですが、メリットも少なく、あまり期待値は高くないかなというのが個人的な考えです。

このバッグの革は新品時に雑めにクリームを塗ったとしてもシミが出来る可能性はとても低いです。

それでいて本革らしい豊かな経年変化が楽しめるといった、クロムとタンニンの良い所取りのような革です。

ノーメンテナンスでもそこまで質感が悪くならず、クリームを使用すれば相応に艶も出てくれるので、レザーバッグ初心者の方にも安心してオススメできるバッグです。

試しにやってみたいという事であれば防水スプレーを使用してみても良いですが、前述した通りそこまで恩恵は無いかなというのが私の見解です。

以上、本革バッグと防水スプレーに関するお話でした

東京ヒマワリ 猪野

宣言通り、ものすごく長いブログになってしまいましたが、重要なポイントに関しては概ねご紹介出来たかなと思います。

この話は革の鞣し方法だけでなく、オイル仕上げなどの処理や、顔料仕上げなのか染料仕上げなのか、更には使用者の扱い方やスプレー作業の精度など様々な要因によって結果が変わるので、断定的な結論を出すのが難しくなっております。

とは言え、すべてを曖昧にしてしまうとわけが分からない話になってしまいそうなので、ある程度代表的な性質や私の主観なども交えつつ、読んで頂いた方に誤った情報をお伝えしないように気をつけつつも、迷う事が無いように配慮して執筆させて頂きました。

最後の具体例のお話を読んで頂けましたらお分かり頂けるかなと思いますが、防水スプレーを使用するか否かはバッグの特性にかなり左右される部分があります。

当店でお買い物をして頂いたお客様でしたら、個別に詳しいご案内を差し上げる事も可能ですので、是非お気軽にご相談下さい。

当店では仕入れの段階で革の性質やスペックに関して、メーカー担当者にかなり深掘りしてチェックしておりますので、色々と参考になる情報をお渡しする事が可能かと思います。

本格的なレザーバッグが欲しいけど、どれを選べばいいか分からないという方も、是非お気軽にご相談下さい。

使用する用途や重視するポイント等に応じて、お勧め商品をご紹介する事も可能です。

今回のブログでは触れられませんでしたが、雨などに降られてしまった際の適切な対処法について次回のブログではご紹介させて頂こうと思っております。

本革製品を使用されている方、興味を持たれている方のお役に少しでも立てて頂ければ幸いです。

それではまた次回のブログでお会い致しましょう。

以上、おしまい!東京ヒマワリ トップページ

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