最終更新日:2019年09月10日

フランコスパダのネクタイ工場を見学してきました

上質なシルク素材や美しいデザインが魅力のフランコスパダのネクタイですが、そのクオリティーの秘密はどこにあるのでしょうか?本日は、そんなフランコスパダの生産に携わる工場や職人さんの、取材記録をお届けしたいと思います!

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どうも、東ヒマのメガネっ子担当、猪野です。

私が初めてフランコスパダのネクタイと出会ったのは、都内某所で開催された展示会でした。あの日は、バイヤーの田村さんと二人でネクタイを手に取り「え!?これ、、、めちゃくちゃ良くないですか!!」と驚かされたものです。

遠目で見れば一見スタンダードなネクタイなのですが、手に取るとクオリティーの差は歴然で、モッチリと肉厚な生地や、優雅なドレープ感、上品な光沢や色味など、高級感を五感に訴えかけてくるような素晴らしい仕上がりなのです。

それ以来、当店ではフランコスパダのネクタイを幅広く取り揃え、皆様にお勧めしてきたわけなのですが、正直な所、僕らもそのクオリティーの秘密を明確に分からないままでおりました。

ネクタイは様々な職人や業者を経由して生産がされるのですが、ザックリと以下のような生産工程となっております。

1、原材料となる生糸を染色する「染色屋」

2、デザイン原案から織物の設計図を作る「紋紙屋」

3、実際に生地を織る「機屋」

4、出来上がった生地を加工する「縫製屋」

つまりこの4箇所の業者が、クオリティーの鍵を握っているというわけです。

それならば、もう現地に行って秘密を解き明かしてきちゃおうという事で、この度、京都にある工場に見学取材に行って参りました!

結論から申し上げますと、想像を遥かに超えるクリエイティブな現場で生産がされており、本当に思い切って行っちゃって良かったなあと思いました。

それでは、さっそく本編へ参りましょう!!

原材料となる生糸を染色する「染色屋」

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こちらの写真は、ネクタイの他、着物など絹織物の原料となる「生糸(きいと)」です。

生糸は品質が細かくランク分けされているのですが、日本では国内生産の絹織物の品質を守る為、3A~4A以上といった高品質な生糸しか使用する事が出来ません。

なので、フランコスパダに関わらず日本製と記載された絹織物は、少なくとも原材料の品質に関しては一定の基準をクリアしていると思って頂いて基本的に間違いありません。

この時点で生糸はゴワゴワとしていて光沢もありません。この生糸を、ツルツルと肌触りが良く光沢がある状態に加工するのが「染色屋(せんしょくや)」の仕事です。

今回は、フランコスパダの製品も数多く手掛けている、京都西陣の染色屋「京都染工所」に見学取材をさせて頂きました。

それでは、順を追って染色屋のお仕事内容をご紹介して参りましょう!

精練(せいれん)

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生糸がなぜ光沢が無く、ゴワゴワとしているのかと言うと、不純物が糸の周りに付着しているからです。これを石鹸などが入った熱湯で炊き込んで不純物を取り除く作業を「精練(せいれん)」と言います。

上記写真が精練を行う機械です。昔は手作業で行っていた作業ですが、現代では専用の機械が開発され、より効率良く、より高品質に仕上げる事が出来るようになりました。

しかし精練は、ただ機械を使って不純物を取り除けば良いという話ではありません。その後、どのような染色をするか、どのような仕上がりにするかを考えながら、職人が具合を調整する作業となります。

つまり、道具のクオリティーが上がっただけであり、製品のクオリティーは現代においても職人の能力に委ねられているという事です。

生糸の様子を見ながら時折脱水機で水気をとるなどして、丁度良い精練具合になるよう調整していきます。手触りや目だけで判断する作業となり、経験値だけが物を言う職人技です。

染色(せんしょく)

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生糸を精練したらいよいよ染色です。

京都染工所の代表「髙松大嗣」様は、糸浸染作業一級技能士や、西陣織の伝統工芸士といった資格も持たれており、勘だけで色を合わせる「勘染め」も出来る染色職人です。

現代ではコンピューターを使用して、ある程度は染料の分量を自動で合わせられるそうなのですが、そこから先の微調整はやはり経験に頼る他ありません。

オーダー元の希望や意向に沿った色味に調整すると同時に、太陽光や蛍光灯など、光源が変わっても常に美しい色味になるよう調整をします。

このように、美しい絹織物の光沢や色味は、原料の品質によるものだけでなく、染色屋の技術やセンスがクオリティーを大きく左右しているのです。

それでは生糸が美しく染め上がりましたので、次は絹織物の設計図を製作する「紋紙屋(もんがみや)」をご紹介致します!

更に詳しく染色屋の仕事を知りたい方はコチラ

デザイン原案から織物の設計図を作る「紋紙屋」

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京都西陣の紋紙屋、株式会社西栄にやってきました!

ネクタイの柄は、刺繍などと同じように糸の色だけで表現がされております。その為、ペイズリー柄などの複雑なデザインを表現する場合、一針一針を全て決めないといけないので、ドット絵のようなデザインデータが必要になります。

上記写真は、左側がデザイン原案、右側がデザインデータとなります。写真をドット絵に変換する時と同様に、どこをどう省略して柄を表現するかが難しい所となります。

この作業は、今でこそデジタル化している為にイメージが沸きずらいかもしれませんが、昔は紙と筆で作業をしていた職人技です。

ネクタイの柄の美しさは、このデザインデータの出来がクオリティーを左右するのです。

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作成したデザインデータは、最終的にこちらの「紋紙(もんがみ)」という形で出力されます。その為、こういったデザインデータを作る所を「紋紙屋」と呼ぶわけです。

この紋紙は、次にご紹介します機屋(はたや)で使用するのですが、絹織物を織る際の設計図となるものです。という事で、次は京丹後の機屋さんをご紹介しましょう!

更に詳しく紋紙屋の仕事を知りたい方はコチラ

実際に生地を織る「機屋」

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こちらが絹織物を織る機械(ジャカード織機)です。先程の紋紙をこのようにセットする事で、縦糸・横糸をコントロールし、様々な柄の絹織物を織る事が出来ます。

今回取材をさせて頂きましたのが、丹後ちりめんで有名な高級絹織物産地、京丹後の機屋「梅武織物株式会社」です。

こちらの代表である梅田正彦社長は3代目なのですが、家業を継ぐ前はジャカードメーカーの技術屋として全国を回っていた方で、なんと社内のジャカード織機は全て梅田社長が自ら整備・調整を行っているそうです。

梅田社長は従来の手作業による機織りも学校などで学ばれており、丹後ちりめんや西陣織以外にも、日本各地の様々な織物に関わって仕事をされてきました。

このように、機屋を管理する社長が、様々な高級絹織物の魅力を熟知し、織機も自由自在に使いこなせるという所が、クオリティーを担保する大きなポイントとなります。

品質の決め手となる、織機の幅と織るスピード

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織機は、幅が広い程に1ストロークで織れる面積が広くなるため生産効率は良くなるのですが、機械の撓み(たわみ)も大きくなってしまい品質が落ちてしまいます。

また、織るスピードも早いほど生産効率は良くなりますが、スピードを上げると生地に空気があまり含まれない為、風合いが悪くなってしまいます。

梅武織物株式会社の絹織物は、幅狭な織機を使用し超低速で織っている為、生地にたっぷりと空気が含まれ、従来のシャトル織機で織ったような豊かな風合いが感じられます。

その他にも、技術屋だからこそ出来る特別な改造などを織機に施している為、梅武織物株式会社の織る絹織物は、非常にクオリティーが高いのです。

更に詳しく機屋の仕事を知りたい方はコチラ

出来上がった生地を加工する「縫製屋」

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染色屋、紋紙屋、機屋を経て、ついに絹織物が出来上がりましたので、最終工場となる「縫製屋」のお仕事を見ていきましょう。

今回お邪魔させて頂きましたのが、京都西陣にございますネクタイ専門メーカー「野黒ネクタイ工芸株式会社」です。

なんと今回の取材では、一反の絹織物がネクタイになる一連の作業工程を紹介して頂きました!そちらの見学日記の全貌は以下リンクよりチェック出来ますので、是非ご覧下さい!

当記事では、特にクオリティーを左右する部分をクローズアップしてご紹介させて頂きます。

縫製屋、見学日記はこちら

機械縫いと、手&ミシン縫いについて

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ネクタイの縫製は、大きく分けて「機械縫い」と「手&ミシン縫い」がございます。

機械縫いの場合は、生地を機械にセットしてボタンを押せば、あっという間に大枠が縫い終わるのですが、手&ミシン縫いの場合は、細々とした縫製作業を全て人の手で行う必要があります。

作業コストの面では断然「機械縫い」の方が安く済むのですが、細部のクオリティーを求める場合、熟練職人による「手&ミシン縫い」に勝る物はありません。

そしてフランコスパダのネクタイは、もちろん「手&ミシン縫い」で縫製がされております。

こちらの写真のネクタイ剣先は、野黒ネクタイ工芸株式会社に在籍する、職人歴60年の方が手掛けたものなのですが、非常に綺麗で美しい仕上がりとなっております。

一般的な工業用ミシンと、あとは針と糸と定規などアナログな道具だけで全ての縫製作業を行っており、まさに職人芸と言った手際で大変驚かされました!

つまり、こういった縫製のクオリティーは、道具や設備ではなく、担当する職人のスキルに依存するのです。

野黒ネクタイ工芸株式会社には、ベテラン職人が数多く在籍しており、それがクオリティーを支えている大きなポイントとなっております。

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こちらの写真はネクタイ裏側の縫い付けシーンなのですが、マチ針を打って針と糸で縫い付けるという、とてもベーシックな方法で生産がされております。

ご覧の通り、ほんの僅かにマチ針の打ち方を間違っただけで形が歪になってしまうような作業なのですが、非常に手際よく作業を進められて、出来上がった製品は大変に精巧なものでした。

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ブランドネーム等も、全て手作業で縫い付けられております。

小学校の家庭科の時間に習った糸先の玉止め等も、まさに学校で教わったのと同じような方法で指先でコロコロっと行っているのですが、ご覧の通り綺麗に真ん丸な形になっていて、非常に素晴らしいクオリティーです!

精密な工業製品のような精度を、一体どうやって手縫いで成しえるのかと不思議に思っておりましたが、作業方法の確立などではなく、単純に職人さんのスキルが僕の想像の遥か上のレベルに達しているという事を知りました。

更に詳しく縫製屋の仕事を知りたい方はコチラ

国内最高峰の技術やセンスを集結した、フランコスパダのネクタイ

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ここまでご紹介させて頂きました通りフランコスパダのネクタイは、様々な業種の凄腕職人さん達の力を結集して作られております。

また、コストをとるか品質をとるかと言った選択肢において、常に品質重視の選択をしている事も大きなポイントです。

なぜなら、運営元である永島服飾株式会社は、自社ブランドであるフランコスパダの販売以上に、他社ブランドのOEMやODM(受託生産)を主な仕事としているからです。

つまり、フランコスパダのネクタイは他の有名ブランドへ向けたプレゼンも兼ねた製品となっている為、コスト度外視で最高品質のスペックで製品が企画されているのです。

日本のネクタイメーカーは他にも色々とありますが、クラシックなデザインと確かな品質という部分で見れば、フランコスパダは日本一だと当店ではお勧めしております。

高級感のあるブランド化粧箱も付属致しますし、当店ではラッピングも承っておりますので、大切な人へのプレゼントとしてネクタイを探されている方にも、間違いなくお勧め出来る逸品でございます。

当店は通販ショップなので購入前に実物は見る事が出来ませんが、その分アフターサービスを充実しており、色や柄の交換は往復送料無料、イメージ違いの返品も送料込み500円ぽっきりとなっております。

また、ネクタイ選びで迷われている方は、是非当店までお気軽にお問合せ下さい!特に女性の方は何を選んだら良いのか分からない方も多いかと思いますので、用途などお聞かせ頂けましたら最適な一本を当店でご提案させて頂きます。

という事で、当記事のお話はこれにて終了です!

ここまでリンクも点々と貼っておきましたが、今回ご紹介させて頂きました工場や職人さんは、別記事で更に深くご紹介させて頂いております!更にフランコスパダの魅力を知って頂ける内容となっておりますので、是非そちらもチェックしてみて下さい!

以上、おしまい!フランコスパダ 商品一覧ページはこちら

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