京都の工場見学日記、今回は最終章です!前々回の記事では絹糸を染める染色屋を、前回の記事では染め上げた絹糸を織る機屋をご紹介させて頂きましたが、今回は最終仕上げとなる裁断・縫製屋をご紹介させて頂きたいと思います。
取材にご協力頂きましたのが、フランコスパダのネクタイも数多く手掛けております、西陣のネクタイ専門の裁断・縫製屋、「野黒ネクタイ工芸株式会社」です。
昭和初期から営業を始め、親子代々三代続く老舗メーカーでございます。
染色屋や機屋の作業現場というのは、様々な機械やシステムが導入されていて工業化が進んでいる印象でしたが、今回の裁断・縫製屋はまさに職人芸という感じで、その技術の高さに驚かされました!
それではさっそく本編に参りましょう!
一反の絹織物が、ネクタイになる一連の作業工程を紹介します
こちらの一反の絹織物が、一体どんな過程を経てネクタイになっていくのでしょうか?その具体的な作業内容をジックリと見ていきましょう!
作業工程1、裁断
太さや長さなど、オーダーに合わせて様々な型紙を使用し、電動カッターでカットしていきます。
ここでのクオリティーが、後の縫製作業のクオリティーにも大きく関わってきますので、非常に重要な作業です。
ネクタイの裏側にある小剣通し(ループ)などの細かいパーツの生地も全て用意出来ましたので、次は縫製作業に移ります。
作業工程2、縫製(1段階目)
作業工程3、剣先の縫製
ものの数分で簡単に縫い上げてしまいましたが、それもそのはず、今回縫製を担当して頂いた職人さんは、この道60年の大ベテランだそうです!!
世の中には色々な高級ブランドがございますが、それらのクオリティーを支えているのは、こういった凄腕の職人さん達なのです。
作業工程4、アイロンがけ
作業工程5、縫製(2段階目)
このようにネクタイの裏側は、ミシンで縫い付けるのではなく、間隔を空けて手で縫っていくのです。そうする事で生地にゆるやかなドレープが生まれ、上品で高級感のあるネクタイに仕上がります。
グルグルと何重にも縫い付けられ、がっちりと頑丈に縫製されました。
作業工程6、アイロンがけ(仕上げ)
という事で、ちょっと長くなってしまったので前半はここまでにしようと思います!
ネクタイは立体的な構造も相まって、職人の技術に頼る手縫いなどの工程も多く、実はとても手間の掛かる製品なんだなと学びました。
しかし、1枚の絹織物が、段々とネクタイらしい形になってきましたね!引き続き後半をお楽しみください!
つづく