果たしてなぜ、そのような価格差や違いが生まれるのでしょうか?本日はその理由について、セレクトショップ運営者である私達が、ネクタイ工場の見学記録なども交えながら詳しくご紹介していこうと思います。
かつて金と同等に扱われた絹織物(シルク)、本日はその廉価品の実情と、高級品との違いについて紹介していきます
皆様は、「ダイヤモンド」や「金」といった名称を聞くと、きっと即座に「高級品」と連想するかと思います。では、「絹(シルク)」と聞くと、どうでしょうか?
きっと、ご高齢の方であれば「高級品」と連想されるかもしれませんが、若い方であれば「うーん、生地の種類?」というように、コットンや化繊なんかと同等に思われている方も居るかもしれません。
そんな若い方は驚かれるかもしれませんが、遥か昔は、絹(シルク)は金と同等の高級品として扱われておりました。
中国で遥か昔に生まれたと言われるシルク生地は、当時より神聖な物として扱われており、王様や貴族だけが身に着けられる貴重な生地だったそうです。
それが徐々に世界各国に広まり、ヨーロッパでも有力者が身に着ける衣服に使用され、日本でも神事の際に身に着ける着物などに使用されるようになりました。
そんなシルク製品は、廉価なネクタイブランドであれば今や1,000円程度でも購入する事が可能となり、庶民にとっても大変身近な生地になりました。
しかし結論から申し上げますと、当時、高級品として取引されたシルクと、現代の安いシルクとでは、品質に雲~泥~~の違いがございます。
現在流通している廉価なシルク100%ネクタイは、もはやシルクと呼ぶのもおこがましい、ほぼ化繊と言っても過言でないような素材が使用されております。
では、具体的に廉価品と高級品は、どう品質が違うのか、本日はその辺りを順を追って説明していこうと思います。
絹織物(シルク)とは?
ちなみに、シルク100%の着物を作る場合、この繭が3,000個程必要になるそうです。蚕は生涯で1度しか繭を作らず、しかも、繭を回収された蛹は、基本的に成虫になる事は無く、良くて魚の餌などになってしまうそうなので、着物一枚につき、3,000頭の蚕の命が犠牲になっています。
繭を生糸にして、そこから絹織物にするにも大変な労力が必要となりますので、特に機械化が進む大昔は、いかにシルクが高級品だったかが分かると思います。
金と並ぶ高級品「絹織物(シルク)」の歴史
そうです、金やシルクがたくさん採れると、国が潤う時代だったのです。
錬金術によって金を作り出す事は出来ませんでしたが、シルクは生産方法を見直す事で生産効率を大幅にアップする事が可能でした。
だからこそ、世界中で貿易が盛んになった時代、各国でシルクの工業化が爆発的に進みました。
中でも日本は1872年(明治5年)に、当時世界最大規模の製糸場となる富岡製糸場を建設し、1909年(明治42年)には日本のシルク輸出量が世界トップとなりました。
しかし、世界恐慌をきっかけにシルクの価格が大暴落、その後、様々な高機能な化学繊維が生まれる等してシルクの需要が減り、人件費などの問題から、お蚕さんの飼育と繭の生産はほとんどが中国で行われるようになりました。
品質を犠牲に大量生産されるようになったシルク、そのデメリットとは?
その超低価格を実現させているのが、高速織機です。コンピューターによってプログラミングされた機械により、超高速でシルク製品を大量生産出来るようになりました。
しかし、出来上がったシルク織物のクオリティーは、当時高値で取引されていたシルクとはまるで違う物でした。
最大の問題点としては、高速織機でシルクを折る場合、原料となる生糸に節(ふし)などの個性があると困る為、たんぱく質を吹きかけるなどして表面をコーティングし、機械的で均一な生糸にする必要があるという事です。
しかし、シルクの最大の魅力は、節(ふし)などを含む生糸本来の繊細な個性なのです。化学繊維には無い、自然素材本来の個性によって、独特な艶や肌触りが生まれるのです。
高速織機で大量生産されたシルクは、ただツルツルしているだけの生地感となってしまい、レーヨン(人造絹糸)等と見比べても大して違いが無い素材感になってしまいました。
廉価なシルク100%ネクタイの正体
繭の品質は等級によって仕分けされており、高級品と廉価品では大きな品質の差がございます。その最底辺が、「屑シルク」と呼ばれる、等級分けもされないシルクです。
つまり、屑シルクを高速織機で生産したネクタイが、現在出回っている廉価なシルク100%ネクタイの正体なのです。
高級なネクタイの定義とは?
答えは、高品質な繭(まゆ)を原料とし、生成された生糸本来の個性を活かしつつ、ゆっくり丁寧に品質重視で織ったネクタイだという事です。
ここまでは廉価なネクタイの話ばかりしてしまいましたので、ここから先は高級なネクタイやブランドについて、詳しく違いを説明していきます!
等級分けされるシルクの品質
最も低いのが等級無しの屑シルク、そこから2A、3A、4A、5A、6A、という具合に、6Aを頂点に数字が大きい方が高品質だとされております。
品質の基準は色々とございますが、強度や伸張度、太さが均一か、毛羽(けば)が少ないか、等です。
また、日本では国内のシルク製品の品質を守る為、下手なシルク原料は輸入が出来ないよう、厳しい規制が敷かれております。
上記の等級で言うと、日本国内で出回っているシルク原料のほとんどは、3A~4A以上となっており、シルク製品を購入する場合は「日本製」と記載されたブランドであれば、シルク(生糸)のクオリティーは概ね問題無いと思って良いと思います。
また、特にネクタイに関して言えば、A6だったら絶対に良いネクタイなのかと言うと、そうでもございません。
A6のシルク(生糸)というのは、限りなく太さが均一で、節も無く、毛羽も無く、ある意味で機械的な程に綺麗な生糸です。
織るとツルッツルのピッカピカになるので、着物やスカーフにする場合は上等な仕上がりになると思うのですが、ネクタイの場合は、微妙にまばらな太さや、節なんかがあった方が良い素材感になる場合があります。
なので、良いネクタイを作る上で重要なのは、単純な等級だけでは無く、優れたデザイン力や企画力と、それに見合った素材のセレクトなのです。
近年注目が集まる味わい重視のシルク「野蚕糸」
その代表格が野蚕糸(やさんし)です。
ここまで紹介してきたシルクと言うのは「家蚕糸(かさんし)」と言うもので、人間の飼育無しでは生きられない、家畜化されたお蚕さんから取り出したシルクでした。
逆に野蚕糸は、簡単に言えば野生のお蚕さんから取り出したシルクだという事です。
綺麗な真ん丸の白い繭(まゆ)を作る家蚕糸に対して、野蚕糸は茶色や緑色等の色がついており、繭の形もいびつという違いがあります。その為、生糸にする処理も何かと手間が掛かります。
しかし、そうして出来上がった野蚕糸は、何とも言えない味わいがあり、個性に溢れた生糸となります。
野蚕糸で織ったネクタイは、ツルツルの光沢こそ無い物の、独特な手触りや高級感があり、コーディネートにしっくりと馴染む落ち着いた印象のネクタイに仕上がります。
ちなみに、個人的には家蚕糸100%のネクタイより、野蚕糸が混じったネクタイの方が好みですね!一見地味ですが良く見るとすごく高級感があって、艶やかなネクタイとは違った深みと繊細さがあります。
そういった事情があるからこそ、シルクのネクタイは等級だけで品質が決まる訳では無いのです。
シルクの製織クオリティーを左右するポイント
日本国内で織られているシルクは、恐らく、多くの業者が品質重視で織られております。
と言うのも、いくら生産効率を重視して生産をしたとしても、人件費やロットなどの問題により、中国のコストパフォーマンスに到底敵わない為です。
廉価な中国製と同等の品質でありながら、コスパもいまいちなシルクを織るぐらいなら、高額でも品質にこだわったシルクを織る方が需要があるという事です。
品質の決め手となるポイントはたくさんあるのですが、クオリティーを左右する大きなポイントは織るスピードです。
スピードを落とすほど当然生産効率は悪くなりますが、糸にたっぷりと空気が含まれ、風合い豊かな仕上がりとなるのです。
また、誤解の無いように申し上げておきますと、中国製のシルクが全て品質が悪いわけではありません。
そもそも、シルクという生地の起源は中国ですので、長い歴史を受け継ぎ、熟練の職人によって、伝統的な技法で織られた中国製のシルク織物は、最高にクオリティーが高い高級品です。
当記事の本題、お勧めのネクタイブランドとは?
こちらが当記事の本題ですが、ズバリ、永島服飾株式会社が企画するフラッグシップブランド、「フランコスパダ(Franco Spada)」のネクタイを買っておけば間違いありません。
永島服飾株式会社は、創業60年を超える日本の老舗ネクタイ専門メーカーです。高級日本製ネクタイに特化したメーカーで、自社製品の他、誰もが知っているスーパーブランドや百貨店のネクタイの企画・生産元でもあります。
伝統的なネクタイ製造はもちろん、国内外から外部デザイナーを招き、現代のファッションシーンにマッチする様々なコンセプトのネクタイを精力的に企画しております。
また、国際的な展示会等にも積極的に出展し、日本ブランドのクオリティーの高さを世界に向けて発信し続けている企業です。
日本には廉価製品も含め様々なネクタイブランドがございますが、高級な日本製ネクタイであれば、永島服飾さんのクオリティーは日本一だと思います。フランコスパダ商品一覧ページはこちら
高級ブランドのネクタイ部門の鍵を握る、日本の老舗メーカー
取引するブランドのコンセプトを理解し、現代のトレンドに合ったデザインを企画し、無数にある生糸の中から最適な素材をセレクト、そして、企画内容に最もマッチした業者や職人に作業を依頼し、ブランドにネクタイを納品します。
上質なブランド品を見ると、あたかもブランドに属する人間がすごいように思われがちですが、製品のクオリティーの鍵は、製品を企画・管理するメーカーの腕にかかっています。
そんな、有名ブランドの陰で活躍する永島服飾が、独自に企画したネクタイブランドが「フランコスパダ(Franco Spada)」だという事です。
フランコスパダは、有名ブランドへのプレゼンも兼ねたネクタイとなっておりますので、メーカー最高品質のクオリティーが詰め込まれております。取引するブランドは、そのフランコスパダの製品を元に少しデザインを違うものに変えたり、タグだけ変える等して自社製品を企画しております。
日本の高級絹織物産地、西陣や京丹後で生産されるフランコスパダのネクタイ
最近では、最後の1縫いだけをしてメイドインジャパンと名乗っているようなブランドもあるようなので、誤解のないように言っておきますと、生糸の染色や機織りなど、全ての工程が国内選りすぐりの職人の手によって行われております。
フランコスパダの生産現場に関しては、以下リンク先の生地に詳しくまとめておりますので、是非チェックしてみて下さい!
広告予算0円!品質とコスパ重視のネクタイブランド
これだけ国内最高水準のスペックを纏っていながら、1本1万円前後となっております。
海外の高級ブランドの製品を見ても、大体15,000円~20,000円程度が相場となっております。中には1万円を切っている物もございますが、ネクタイはその気になればいくらでも品質を犠牲にコスト削減が出来ますので、恐らくそういう商品なのだと思います。
スーパーブランドは、街中に広告をばら撒いたり、好立地な土地に豪華な実店舗を構えたりしないといけないので、どうしても原価以上に様々なコストが発生してしまいます。
その点、フランコスパダは広告予算がほぼ0円なので、他ブランドに比べて圧倒的に低コストで高品質なネクタイを販売する事が出来るのです。
こういった事情があるので、「高額なネクタイ=高品質」と考えるのは、大きな間違いです。そのブランド特有のデザインのネクタイが欲しい等であれば、高額なブランドのネクタイを選ぶことは大いにありだと思いますが、高品質なネクタイが良いからと安易に有名ブランドの製品に手を出すのは間違いです。
以上、高品質な日本製ネクタイブランドのすゝめでした
とにかく僕が言いたい事は、上等なネクタイが欲しい方、特に日本人なら、黙ってフランコスパダを買っておきなさいと、ただそれだけです。
海外の高級ブランドネクタイも素敵ですが、フランコスパダは華やかさの中にもどこか素朴さがあって、侘び寂びを感じさせる独自の味わいを秘めている所が大きな魅力だと思います。
あと、日本製品を買うと日本の経済が潤うので、本当に日本人はもっと日本製ブランドを愛した方が良いです。特にファッションアイテムは、品質を確かめる事無く安易に海外ブランドを買ってしまいがちなので、本当に良く考えてお買い物をして頂きたいです、、商売上手な海外ブランドに押され、近年日本のファッション市場は本当にヤバイので、、(マジで)
て事で!ネクタイは複数本持つことでオシャレさんになれますので、高額な3万円の海外ブランドネクタイを1本買うぐらいなら、フランコスパダを色とりどり3色揃えて日本経済に貢献した方が、購入者も販売者も全員ハッピーになれるのでお勧めです!
高品質なネクタイブランドをお探しでしたら、フランコスパダは絶対後悔しないセレクトだと思いますので、是非ご検討頂ければと思います。
以上、おしまい!フランコスパダ商品一覧ページはこちら