日本では香川県を中心にたくさんの革手袋メーカーが存在しますが、その中でもクロダは国内の革手袋シェア率20%という最大手メーカーです。
生産量も然る事ながら、クロダ製手袋の最大の魅力は品質です。イタリア製の仔羊革やカシミヤ裏地等、最高級の素材を使用した日本製手袋は、海外の有名ブランド製品をも凌ぐ程の仕上りとなっております。
ミラノで行われた国際見本市MIPELでは国内2社目となるパノラマ部門大賞を受賞し、日本企業の物作りレベルの高さを世界に発信しています。「クロダ」商品一覧ページはこちら
- ・「株式会社クロダ」とは?
- ・クロダ社製品の品質を支える、クロダの工場長をご紹介
- ・手袋の品質を大きく左右する「型紙」について
- ・若い職人を積極的に取り入れるクロダ社
- ・高級素材を惜しみなく使用するクロダ社の革手袋
- ・革手袋の最高級素材として知られる仔羊革について
- ・クロダ社が保有する海外工場について
- ・クロダが創設したミャンマーの手袋専門学校について
- ・経営陣が元手袋職人だからこそ出来る、職人気質な社風
- ・海外製は品質が悪いというのは本当?
- ・クロダ社の手袋は日本製の方が品質が良い?
- ・クロダ社の手袋はどこで買える?取扱店について
- ・その他詳細はクロダ公式ホームページをチェック!
- ・「日本人、手袋買うならクロダ買え」東ヒマ、心の俳句
今回は、創業50年を超える日本の手袋専門ブランド「クロダ」を紹介していこうと思うのですが、まず結論言うと、最高品質の国産革手袋をお探しでしたら、クロダ社製品が間違いなく最高の選択だと思います。
国内随一の手袋産地である香川には様々な手袋メーカーがあり、カジュアルなニット手袋を得意とするメーカーや、スポーツ系手袋を多く手掛けるメーカー等がございますが、そういった数々の手袋メーカーが点在する中で、「国内最高品質の革手袋を作れるメーカー」は、クロダ社をおいて他には無いと思います。
という事で本日は、そんな高級革手袋メーカーのクオリティーの秘密をじっくりと紹介していこうと思います。
「株式会社クロダ」とは?
同市は国内随一の手袋産地として知られており手袋メーカーが数多く点在しておりますが、高級革手袋に関してクロダ社は地域で最も有名な企業だと思います。
生産量も然る事ながら、ポイントは何と言ってもその圧倒的な品質です。
イタリア製仔羊革やカシミヤライナー等の最高級素材を使用し、それらを熟練の職人達が製品化した手袋は、海外の有名ブランド製品等と比較しても対等に勝負出来る程に高品質な仕上りとなっております。
他の手袋メーカー様とお話をすると、「クロダ製品は品質が良い、だからこそ自分達は価格など他のフィールドで商売をする必要がある」という声を多く聞きます。
それくらいクロダ社は同業者からも注目されており、手袋メーカー経営の指針になる程に存在感のある企業なのです。
クロダ社製品の品質を支える、クロダの工場長をご紹介
大島様はクロダで専属の職人として40年以上勤務されており、更にはクロダ入社前からも手袋職人として仕事をされているという事で、文字通り大ベテランの手袋職人です。
大島様はクロダ日本工場の工場長というような役割で、実務における様々な仕事をこなしております。
手袋の品質を大きく左右する「型紙」について
裁断や縫製なども熟練度が必要な作業ではあるのですが、型紙のクオリティーは全個体の品質に直結するので、非常に重要な作業となっております。
また、型紙作りは裁断や縫製などの都合を全てを把握していないと出来ないので、手袋作りに関する一連の作業の中で最も難易度が高いと言えます。
クロダの所有する手袋工場は、日本、中国、インド、ミャンマーにあるのですが、それら工場で生産される手袋の全てが、大島様が手掛けた型紙を元に作られているそうです。
クロダ製品は履き心地が良く、シルエットも美しいと当店のお客様からもたくさんの好評を頂いておりますが、そのクオリティーを裏方で支えているのが、大島様のような腕の良い職人達なのです。
若い職人を積極的に取り入れるクロダ社
私達が取扱う革製品、その中でも「日本製」と記載された製品の多くは年配の職人さんが手掛けている事が多く、もっと言えば年金受給者の職人に無理を言って安い賃金で仕事を依頼する事も珍しくありません。
革製品や衣料品等の多くは海外で超低コストで生産される事が多く、その為に日本製品は縮小の一途を辿っているというのが現状なのです。
そんな中でもクロダ社が国内で若い職人を雇えるのは、クロダ社製品が高級品だからです。
コストを追及するのであれば日本製品は海外製品に中々敵いませんが、品質で勝負するとなると日本製はやはり安心感があります。
型紙作り等は熟練の知識や経験が重要ですが、特に縫製は体力・気力・集中力が必要なので、職人の若さもクオリティーに直結する重要な要素となります。
また、後継者を育てるという意味合いでも若い職人は工場に必要不可欠です。
手袋職人というのは2~3年程度では基本的にものにならないらしく、メーカーは時間を掛けて育成していく必要があるのだそうです。
こういった側面からもクロダ社製品はなぜ品質が良いのか、そのクオリティーの秘密を感じ取って頂けるのではないかなと思います。
また、手袋の生産過程に関しましては以下の工場見学ブログで紹介しておりますので、興味のある方は是非こちらもチェックしてみて下さい。
高級素材を惜しみなく使用するクロダ社の革手袋
クロダ社製品の品質が良い大きな理由として、高級素材を惜しみなく使用している点も挙げられます。
クロダ製品の最高級ラインには、主にイタリア製仔羊革が使用されております。日本製品は隅々まで丁寧に作られた安心感が魅力ですが、革の色気や繊細さといった所に関しては、現状イタリア製に軍配が上がると思います。
しかし、イタリア製の革は世界各国のスーパーブランドも多く採用している高級素材という事で、コストは非常に高いです。
そこでクロダのスタンダードクラスの製品には、クロダ社が加工を行ったクロダ社製仔羊革が使用されております。
動物の原皮を「革」に変える加工を「鞣し(なめし)」と言い、普通この鞣しはタンナーと呼ばれる専門業者の仕事になるのですが、この技術をもクロダ社は保有しているという事です。
鞣しまで社内で行えるメーカーというのは非常に稀で、例えるならばレストランが自分で田んぼや畑を保有して食材を育てているようなものです。
鞣しに関する機材や技術導入のハードルは非常に高いですが、上手くいけば革の細かな微調整も社内で行えるようになりますので、品質とコストの両方において有利な商売が出来ると言えます。
最高級ラインを除いては、基本的にクロダ製革手袋にはクロダ製の仔羊革、もしくは山羊革等が使用されており、その品質はイタリア製の革素材とはまた違った魅力があります。
クロダ社は国内で最大規模の革手袋メーカーという事で、大手メーカーにしか手を出せないような大規模な設備導入等も積極的に行っており、この辺りも小規模メーカーに品質で差をつける決定的な要因になっていると思います。
革手袋の最高級素材として知られる仔羊革について
クロダ社製品はイタリア製仔羊革、もしくはクロダ社製仔羊革を使用していると言いましたが、この「仔羊革」というのは、エキゾチックレザー等の特殊な素材を除き革手袋の最高級素材と言われております。
革というのは基本的に食用肉の副産物であり、だからこそ世の中で流通量が多い牛革が革製品の多くに使用されております。
しかし牛革というのは堅牢度が高い反面固さがあり、手袋の素材としてベストではありません。
そこで高級革手袋に使用されるようになったのが羊革です。羊革は牛革程の耐久性は無いものの非常に柔らかさがあり、新品時から手にしっくりと馴染む柔軟性が魅力となっております。
また、羊革の中でも最高級とされるのが仔羊革です。仔羊革は成羊革と比べて傷が少なく繊細で、革手袋の素材として要である柔らかさにも長けております。
しかし、仔羊は成羊に比べて小さい為にコストは割高になります。鞣しや染色などの加工費用は原皮のサイズにほとんど左右されないので、小さい個体はそれだけ割高になるのです。
こういった理由で仔羊革は高品質な高級品とされております。革手袋は羊革を使用しているというだけでもある程度高級品の括りに入りますので、仔羊革を使用した革手袋は大変贅沢な設計だと言えます。
※市場において成羊革はシープスキン、仔羊革はラムスキンと呼び分けされる事が多いです
クロダ社が保有する海外工場について
「コストでは日本製品は海外製品に中々敵わない」と言いましたが、前述した通りクロダ社は海外にも自社工場を構えており、そちらではコスト面でも勝負できるような製品を生産しております。
しかもただ安いだけでなく、しっかりと品質も保ちながらコストダウンを図っております。
こうして高水準の技術や知識を自国の工場へ持ち帰ってもらう事で、海外生産品であっても国産品に劣らない物作りを目指しているのです。
クロダが創設したミャンマーの手袋専門学校について
社内で人材育成プログラムを設けるだけでなく、専門の学校まで作ってしまう程に若いスタッフの育成には力を入れており、こういった所が他社との大きな差になっているのではないかなと思います。
ミャンマー工場で生産された手袋は、品質面ではまだクロダ社の国産品レベルには至りませんが、販売価格に関しては国産品に比べ大幅に抑える事が出来ているそうです。
実際に私もミャンマー製の手袋を手に取って確認致しましたが、素人目で見れば大きな違いを感じられない程に良い仕上りだと感じました。
前述した通り、型紙に関してはクロダ社専属のベテラン職人である大島様が手掛けており、素材に関しても国産品と同じ仔羊革をメインで使用しておりますので、パッと見は本当に違いが分かりません。
ミャンマー工場は現状、数年前まで学生だった若い職人が中心となって物作りをしておりますので、まだまだクオリティー向上の余白が多く残されている事もあり、今後に大きな期待が寄せられております。
こちらがクロダのミャンマー製の革手袋です。写真ではほとんど違いが分からないかと思いますが、実際に手に取って見ると確かに繊細さに関しては日本製の方に軍配が上がると思いますね。
但し、ミャンマー製にはまた違った味わいが感じられ、一概にグレードが低いとも言い切れない一面があると思います。全く同じ革と金型を使用しているにも関わらず仕上りに違いが出る所が手袋の難しさと面白さですね。
経営陣が元手袋職人だからこそ出来る、職人気質な社風
ちなみにクロダ社では営業や企画として入社したスタッフに関しても一通りの手袋作りの実習が行われるそうです。それも1週間や2週間等ではなく、数ヵ月間みっちりとやるそうです。
手袋を売る人間は手袋を知らないといけないという方針のようで、実習を受けた方のお話を聞くと大変だなとは思いますが、経営方針がはっきりしていて素晴らしい考え方だなと私は思います。
海外製は品質が悪いというのは本当?
私の見解としては、半分本当、半分嘘だと思います。
まず、海外生産品とは言っても色々とありまして、大きく以下の3パターンに分けられると思います。
①海外企画の海外生産品
②国内企画の海外生産品
③国内企画かつ、国内資本の海外工場生産品
品質が悪いと感じられる海外生産品の多くは、①の「海外企画の海外生産品」である可能性が高いです。
世界的に見ても日本人は非常に清潔で真面目で完璧主義な人が多く、だからこそ海外の基準で企画された製品というのは、日本人には受け入れ難い物も少なくないのだと思います。
対して②の「国内企画の海外生産品」に関しては、設計や材料の選定等は日本企画なのでトラブルは少ないと思います。
更に、③の「国内企画かつ、国内資本の海外工場生産品」ともなれば、生産現場の管理も国内企業の管轄になりますので、国産品との違いは益々無くなっていきます。
クロダ社の手袋は日本製の方が品質が良い?
更に、型紙や素材に関しては全ての工場で共通しておりますので、クオリティーに差がつくのは裁断縫製などの技術的な部分が主となります。
そういった意味では、ミャンマー工場は2018年から稼働を開始した新しい工場という事で、作業スタッフも若く、国産品と比べると少し見劣りする部分があると思います。
インド工場も比較的新しいので、やはり国産品の方がクオリティーを感じて頂きやすいと思います。
中国工場に関しては1977年から稼働している為に技術も成熟しており、生産量で見ればクロダ製品のメイン工場とも言えますので、裁断縫製等に関して国産品との差はほとんど無いと言えます。
それでも実際には国産品の方が基本的に品質は良いです。
というのも、イタリア製仔羊革や、カシミヤ100%ライナー等の最高級素材が、基本的に国産ラインに投入されるからです。
「日本製」といった表記は国内外共に一定のブランド力がある為、高価であっても売りやすいといった側面があります。
だからこそクロダ社製品に限っては、国産品は品質重視、海外生産品はコスト重視の企画がされる事が多いのです。
こんな事は、一言「日本製が一番品質が良いです!」と言ってしまえば良い話なのかもしれませんが、それだと誤解を生む可能性があるなと感じましたので、詳細を事細かくご説明させて頂きました。
それに、東ヒマのファンはきっとこういう話の方が好きなはずですよね(笑)
クロダ社の手袋はどこで買える?取扱店について
クロダは仕事の多くをODMやOEMとして受ける事がメインでして、つまりは有名ブランドの手袋の受託製造が主な仕事だという事です。
百貨店等が盛り上がっていた数十年前まで、メーカーというのは表舞台に名前が出る事がほとんどありませんでした。
しかし近年になってネットが発達し、ブランド思考のニーズが減少した事等も影響して、安くて高品質なメーカー直営のファクトリーブランドが人気になってきました。
とは言え、クロダ社の主な生業はまだまだODM/OEMなので、街に出て「クロダ」と書かれた手袋を見つける事は中々難しいと思います。
サイズ展開のある手袋という道具ですので、実物を見てから購入したいというご意見は数多く頂くのですが、残念ながら当店もネット販売限定ショップの為に実店舗がございません。
その代わりに返品交換は柔軟に対応させて頂いておりまして、サイズ交換は往復送料も含め無料で受付させて頂いております。
イメージ違いによる返品に関しては500円の手数料を頂いておりますが、当ブログを見たと仰って頂けましたら、返品手数料も無料にさせて頂きます!
実物を手に取って頂ければきっとご納得頂けると思い、このような強気のサービスをさせて頂きました。是非ご検討頂ければと思います。
その他詳細はクロダ公式ホームページをチェック!
「日本人、手袋買うならクロダ買え」東ヒマ、心の俳句
当店は創業当時からクロダ手袋を仕入れさせて頂いておりますが、改めて良いメーカー、良い手袋だなと思いますね。
実際に本社や工場に伺って現場の方々のお話を聞いたり、または東かがわ市の他の手袋メーカー様のお話を聞いたり、そういった色々な経験をさせて頂く中で、なぜクロダ社製の革手袋がこんなにも品質が高いのか理解が深まりました。
現代において人気のブランドというのは、いわゆる「ブランディング」によって地位を高めていく事がほとんどだと思いますが、クロダはそういった表面上の操作によって現在の地位を成し得た訳では無く、良い仕事、良い物作りでもって多くの人からの信頼を勝ち取り、今があるのだと思います。
手袋はクリスマス等のギフトとして選ばれる事が多い商材ですので、当店もいつも以上に品質面など気にして選んでおりますが、クロダ社製品は本当に安心感があり自信を持って皆様にご紹介出来る商品です。
世の中に流通する商品は、いかにして儲けるかといったビジネス臭が強い製品が少なくないと思いますが、クロダ社の手袋はそういった臭みが無くてピュアというか、物作りに真っすぐで職人気質な所が良い所だと思いますし、私が信頼をしている大きなポイントですね。
逆に言うと、ビジネス的な観点から見ればブランディング等もっと上手い立ち回り方があるのかもしれませんが、そういった不器用で真っすぐな所も日本企業らしくて私は良い所だと思っています。
ファッションアイテムと言えばキラキラとした海外ブランドが市場の主役ですが、実直な物作りの日本企業製品を当店では推しております。
その中でも最高品質の手袋をお探しでしたらクロダ社の製品が間違いありません!冬のギフトなど探されている方は是非チェックしてみて下さい。
以上、おしまい!クロダ商品一覧ページ
今年初めてクロダさんの、3D手袋を購入しました。とても暖かく指先から手の付け根までのフィット感が、素晴らしいと思いました。クロダさんの企業努力は並大抵ではなかったと思います。次回もクロダさんの製品を購入したいと思います。今後もクロダさんの検討を祈っております。
コメント、誠にありがとうございます。東京ヒマワリ担当の猪野でございます。
クロダ製品を気にいって頂けて、本当にありがとうございます。私達は実際にメーカーの展示会等に参加しておりますが、社長や会長などとお話をしても、大変職人気質で物作りの情熱に溢れており、これぞMade In JAPAN!と、思い知らされます。
私自身も、オールレザーのクロダの羊革手袋を使用しておりますが、やはり高級感が他製品とな全く異なり、エイジングも豊かで、使いこむ程に革の味が増してきており、大変気に入っております。
来シーズンは更にたくさんのクロダ製品を仕入れる予定でございますので、ご自分用にも、プレゼント等にも手袋をお探しでしたら、改めて当店にアクセスしてチェックして頂ければと思います。
今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。
お世話になります。
東京ヒマワリさんのブログでクロダの手袋を知りました。デパート等で手袋を探すも、やっぱり東京ヒマワリさんでみたクロダが忘れられなくて、結局購入。
本当に買って正解でした。新品時の革の匂い、あたたかいカシミヤの裏地、大変気に入りました!
なんでもっと早く買わなかったのだろうかと思うほどです。
東京ヒマワリさんのブログは、ちょくちょく仕事用の鞄等も参考にしておりますので、今後はカジュアルになり過ぎない、底鋲があるレザートートバッグ特集とかやってほしいなぁと思いました笑
今後もよろしくお願いします。
ミンミン様
コメント、誠にありがとうございます。東京ヒマワリ担当、猪野でございます。
クロダの手袋、気に入って頂けて嬉しい限りでございます。
私達もクロダの手袋以外にも、展示会やセレクトショップ、百貨店などを回り、他に良いブランドが無いか探しましたが、やはりクロダの品質が非常に良く、当店では手袋に関してはクロダのみセレクトさせて頂いております。
バッグの方もチェック頂けているという事で、誠にありがとうございます。
底鋲があるトートバッグ特集、非常にマニアックで面白い記事になりそうですね、東京ヒマワリっぽいと思います(笑)
ブログネタは常に探しておりますので、是非参考にさせて頂きたいと思います。
それでは、今後とも東京ヒマワリを何卒宜しくお願い申し上げます。