株式会社猪瀬は、半世紀以上に渡り様々な国内有名ブランドの鞄を制作してきた他、数々の鞄コンテストの受賞歴を持ち、東京の鞄工場としては歴史・規模・実績など屈指の存在です。
前社長の猪瀬昇一様は現役当時、日本鞄協会の理事長も務められており、日本の鞄職人の育成に大きく貢献して日本の栄典である旭日小綬章も受章されました。
同社がこれまで培ってきた技術やセンスの全てがFlathority(フラソリティ)には詰め込まれており、数ある日本製バッグの中でも最高峰の製品をお探しの方に大変お勧めのブランドです。
割と久しぶりにバッグの新ブランドを取り扱う事となりまして、それが本日ご紹介させて頂きます「Flathority(フラソリティ)」というブランドです。
世の中に広く流通しているバッグブランドの大半は、外部工場に生産を委託していると各所でお話させて頂いておりますが、フラソリティを運営する株式会社猪瀬は、まさにそういった様々なブランド製品の生産を請け負う鞄工場となります。
なので、フラソリティは製造元が企画も行っているプライベートブランドとなります。
プライベートブランドは製品の企画と生産が全て1つの社内で行われているので、やりたい事がはっきりしていて個性を強く感じられる製品が多いように思います。
加えてコストに関しても余計なブランド税がほとんど乗っていないので、いわゆる原価率が高めである所も魅力ですね。
という事でさっそくブランドの魅力を紹介していきましょう!
創業1952年!東京の鞄工場として長い歴史と実績を誇る株式会社猪瀬
なので、本日のブログでは基本的に同社の紹介を中心にお話していこうと思います。
まず、土地の高い東京都内で鞄工場!?と思われた方も少なくないかもしれませんが、東京の中でも葛飾等の下町では江戸時代から様々な職人さんが仕事をしてきた歴史があり、その流れが現代でも脈々と続いているんですよね。
とは言っても、大半が個人や数人規模の小さい工場ばかりなのですが、同社は都内の鞄工場としてはかなり規模が大きく、30人程の職人さんが日々仕事をしているそうです。
私も実際に工場にお邪魔させて頂いたのですが、外見こそ古い物の、中には裁断機や各種ミシンなど一通りの設備が充実している他、超高級で最新鋭の大型デジタル機器等も備えられており、物作りの第一線で活躍されている工場である事を肌で感じました。
会社に在籍している職人さんの他、下町で活動する個人の職人さんに仕事を依頼する事も多いそうで、東京下町の鞄作り現場の中心地として、株式会社猪瀬というメーカーが機能しているんだなと感じました。
少数精鋭による高品質な物作りが得意な東京の鞄工場
同社最大の強みは、少数精鋭による高品質な物作りです。
世の中に多く流通するバッグというのは、販売価格で言うと数千円の商品が圧倒的に多いと思います。
こういった商品の多くはアジア圏の海外工場で作られていたり、国内で作る場合も関西等の大きな工場で大量生産したりするわけです。
仮に東京の工場でこういった製品を作ろうとなると、まず何と言っても生産量に限界がありますし、土地が高い分、生産コストも都合が合いません。
では、なぜそれでも東京で物作りをする工場が今でも存在するのかと言うと、基本的には高級な国産品を生産する為です。
日本は90年代に多くの企業が生産拠点を海外に移し、安価な海外製品が国内に流通し始めた時代であった為、国産品は売れ行きが低迷していたそうです。
そんな中でも同社は国産にこだわり、国内の職人達の技術を信じて経営を続けてきました。
そして2000年代になると国産品の品質が再評価されるようになり、同社は国産バッグを求める様々な企業からの信頼を勝ち取る事となりました。
数百人規模の大きな工場というのは、個人の技術スキルによって品質が左右されないよう流れ作業等のシステムが確立されておりますが、そのような仕組みでは出来る事に限界があり、クオリティーを求める場合は職人個人のスキルを頼りにせざるを得ません。
そういった時に頼りになる凄腕の職人さんというのが、東京の下町に集結しているという事なのです。
前述した通り同社は下町の鞄工場として中心的な役割を果たしているメーカーであり、だからこそ様々な職人さんとの繋がりがあります。
社内の職人だけでは手が足りない場合でも、下町で活動している様々な職人さんに相談出来るので、様々な案件を安定した高クオリティーでこなす事が出来るのです。
このように、仕事を全て社内で完結させるのではなく、積極的にアウトソーシングしてきた事が、同社が発展してきた大きなポイントだそうです。
同社は、販売価格10万円を超えるような、国産バッグとしては最高レベルと言える高級品も手掛けており、最高品質を求めるブランド関係者から、東京の代表的な鞄工場の1つとして広く信頼を集めております。
ファッション感度も高い、東京の鞄工場
高級品を扱う百貨店や、そういった場所に商品を卸すブランドというのは都内に拠点を置いている事が多く、だからこそ東京に工場を構えるメーカーというのは打ち合わせなどがし易いといった地の利があります。
また、ファッションアイテムというのは流行を掴めるかどうかも勝負所ですが、同社は都内に工場がある事に加え設備も充実しているので、短期間でサンプルを用意する事が出来るというのも取引先としては大きなメリットなのだそうです。
そして、普段からそういったブランドや企業とやりとりをしている為、ファッション的な感度が高いというのも東京の工場の特徴だと思います。
OEM事業を柱とする株式会社猪瀬が、プライベートブランドを立ち上げた理由
それが、腕の良い職人にとって、OEM案件は物足りない場合があるという事です。
廉価品では無いとは言え、OEM案件だと予算的に妥協のない設計を採用する事が難しい場合があったり、売れ行きの良いスタンダードな型を多く作る必要があるなど、技術やセンスをフルスペックで発揮したい職人にとっては満足出来ない案件も少なくないという事ですね。
また、新たに腕の良い職人さんを雇う際にも、OEM案件ばかりだと人が集まり難いといった一面もあるそうです。
そこで立ち上がったのが、メーカーとして持てる能力の全てを注ぎ込んだ、一切妥協の無いオリジナルブランドを作ろう!という企画で、それで2004年に産まれたのがフラソリティってわけです。
なので、フラソリティはビジネス的な成功よりも、技術的な発展や浪漫を求めて生まれたブランドなのだそうです。
そして2008年には国内最大の革製品コンテスト、ジャパンレザーアワードで部門賞を受賞する等もして、ブランドとしての地位を高めてきました。
使用する素材は最高の生地を選び、設計も一切妥協の無い内容となっております。
数ある日本製バッグの中でも、由緒正しいメーカーが企画した最高峰と呼べる品質の製品を求められる方に、フラソリティは大変お勧めのブランドです。
日本の鞄業界全体を見据えた取り組みを行っている、株式会社猪瀬の経営方針
経営者というのは得てして儲け話が好きだと思うのですが、もちろん全く稼ぐ気が無いわけでは無いにせよ、そんなみみっちい話よりも、もっと新しい事や、革新的で面白い事に感心があるんだなと感じました。
そして、自分の会社に勤めるスタッフを含めた、国内で活動する職人さんの生活を豊かにしたい、そういった気持ちを強く感じました。
私はてっきり、こういった工場に勤める職人さんは、独立する際のルールや契約があると思っていたのですが、同社では全くそういった制限を設けていないどころか、その職人が独立後に、それまで担当していたメーカーと個人契約する事も無条件で許可しているそうです。
なんでそんな大盤振る舞いをするんですかと質問したのですが、「仕事が無いまま独立するのは不安だろうから」だそうです。
また、独立出来るぐらい腕の良い職人と良好な人間関係を築いておく事で、今後自分の会社で受けた仕事を依頼し易くもなるので、将来的な事まで視野に入れれば決して損ではないとも仰っておりました。
前社長であるお父様の猪瀬昇一様は、現役当時は日本鞄協会の理事長も務められており、日本の鞄職人の育成に大きく貢献した方です。
また、その功績が認められて2020年には日本の栄典である旭日小綬章を受章しました。
その他、鞄作りに関する様々な賞を数え切れない程に獲得しており、工場にはたくさんの表彰状やトロフィーが飾られておりました。
このように株式会社猪瀬という鞄メーカーは、ビジネスという枠を超えて、日本の鞄業界全体を見据えた取り組みを行っている企業なのです。
だからこそ普通の経営者とは見ている世界が違うんだなという事を、直接お話をさせて頂いて私は強く感じました。
以上、株式会社猪瀬が運営するバッグブランド「Flathority(フラソリティ)」のご紹介でした
しかし、冒頭で申し上げた通り、株式会社猪瀬というメーカーが素晴らしいというのが、フラソリティというブランドをご紹介する上でも最大のポイントとなりますので、悔いはありません!
高品質な良い製品を選ぼうとする場合、多くの人は製品そのもののスペックや価格で検討するかと思いますが、特に鞄に関しては、作り手の精神が磨き抜かれているか否かが最も重要だと感じます。
この文章を執筆している本日は、MLBで活躍されている大谷翔平選手が「51-51」を達成した日なのですが、彼が大きな結果を残せたのは、もちろん技術的・肉体的なポテンシャルがあってこそではありますが、やはり最大のカギは精神力なのではないかなと思います。
上手くいかない時や不安な事、大きなプレッシャーがあったとしても、高い志を持って真っすぐに努力を重ねる精神力こそが、大きな結果を生むんじゃないかなと思いますね。
株式会社猪瀬という会社は、鞄業界の景気が悪いと言われるこんな時代であっても、三代に渡って会社としてのポリシーを崩さず真っすぐに経営をしてきた企業だと思います。
そんな会社だからこそ鞄職人の登竜門と呼ばれる程に優れた職人が多く集まってきて、だからこそ良い物作りが出来る環境が整っているんじゃないかなと思いますね。
とはいえ製品そのもののスペックに関しても皆様気になられているかなと思いますが、そちらに関してはまた商品個別にご紹介していこうと思います。
安心して下さい、スペックも非常に充実した内容となっておりますよ。
それではまた次回のブログでお会いしましょう。