最終更新日:2020年09月10日

カバン屋の俺が、SONNE(ゾンネ)の評判&品質を徹底解析します

SONNE(ゾンネ)は、国内最大手のファッションブランド輸入代行業者「ウエニ貿易」が運営し、創業20年となる日本のファッション小物ブランドです。

イギリスやイタリアなどヨーロッパの伝統あるメゾンの物作りと、日本人の飾らず質素な様を美しいと感じる感性を掛け合わせた、クラシカルな物作りが特徴となっております。

高品質な素材を惜しみなく採用しているにも関わらず、圧倒的なコストパフォーマンスをも実現しており、実用的でありながら所有欲も存分に満たしてくれる上質なバッグや財布が魅力となっております。

本日は、そんなSONNE(ゾンネ)の評判や品質を知りたい方に向けて、カバン屋である私たちが詳しくクオリティの秘密を解説していこうと思います。

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どうも、東ヒマのメガネっ子担当、猪野です。

ジャパンブランド好きなら一度は耳にする事があったであろう日本のファッション小物ブランド「SONNE(ゾンネ)」ですが、この度、東ヒマでも取り扱いを開始致しました。

本日はブランドの評判などをお調べの方に向けて、生産の裏話なんかも踏まえつつ、詳しくブランド紹介をしていこうと思います。

実は今回このタイミングで突然取り扱いを開始したのには理由があって、SONNE(ゾンネ)は2020年よりブランドの運営方針がガラリと変わって、これが非常に素晴らしい内容となっているのです!

これまでSONNE(ゾンネ)と言えば、本革製のバッグや財布というのがラインナップの主役でした。と言うか、本革製品しか無かったと言っても過言ではありません。

それが、2020年AWのコレクションから一変し、本革製では無いバッグシリーズが発表されたのです。

私の感想から先に申し上げますと、ハイブランド製品の良さを知っている人でも、十分に満足感を得られるミドルクラスのジャパンブランドに仕上がったなという印象です。是非期待してチェックして下さい!

近年急速にクオリティーが向上している化繊生地

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SONNE(ゾンネ) グレースシリーズ バックパック ネイビー 24,200円(税込)

ポリエステルやポリウレタン、ナイロンといった化学繊維で織られた生地というのは、一昔前までは安物の代名詞でした。

まず生地の肌触りが安っぽくて、劣化しやすくて、そもそも実際に生地単価が安いからです。

しかし、近年の化繊生地は、もう全くそんな印象はありませんね。恐らくそのきっかけを作ったのは、イタリアの繊維メーカー「リモンタ社」だと思います。

かつて、スーパーブランドのバッグや財布と言えば本革製品でした。しかし、1970年頃に某スーパーブランドが、リモンタ社の手掛けたナイロン生地を採用したのです。

リモンタ社のナイロンは、引き裂き強度などの機能性に長けているだけでなく、高級品の生地として相応しい色気や品格を感じさせる仕上がりだったのです。

それからと言うもの、化繊業界は耐久性や高級感がますます向上し、現代では様々なハイクオリティー化繊生地が登場し、同時にたくさんの高級ブランドがバッグや財布などの服飾雑貨に化繊生地を採用するようになりました。

SONNE(ゾンネ)のNEWコレクションに使用されている生地について

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企業秘密な部分もあり具体的な生産元などはご紹介出来ないのですが、今回、東ヒマが仕入れて参りましたSONNE(ゾンネ)の2020年AWコレクションに使用されている生地の特徴は、高い撥水機能を持ち、シワになり難く、色移りし難く、軽量でありながら、高級生地らしい品格も備えており、バッグ用の生地として5拍子揃った最新の化繊生地なのです!

まず撥水性に関してですが、公的な品質検査において耐水圧2000mm以上という結果が出ており、なんとレインウェアと同等の撥水性があるのです!
※一般的なナイロン傘の耐水圧は250mm程度、JIS規格でレインウェアとして認定されるのが耐水圧2000mm以上

実際に展示会などでサンプル品に水を垂らしてもらったのですが、まるで葉っぱに落ちたかのように水滴が生地の上を転がっておりました。

更に、裏地に発泡ラバー加工をする等の工夫によって、生地の形状記憶力もかなり高い仕上りとなっております!こちらも展示会のデモンストレーションですが、生地の切れ端を手で力強くクシャクシャと丸めても、パッと手を離して少し時間を置くとシワ一つ無い程に元通りになります。実際にバッグの場合はそこまで極端なシーンは中々無いと思うので、かなり長期間シワがつかずにご使用頂けるかと思います。

その他は商品紹介動画等でご説明出来ればと思いますが、はっきり言ってバッグの機能性で比べれば本革よりも圧倒的に優れた生地だと言えるでしょう。

2020AWから大きく方向性を変えたSONNE(ゾンネ)の製品ラインナップ

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SONNE(ゾンネ) グレースシリーズ オープン トートバッグ ブラック 19,800円(税込)

これまでのSONNE(ゾンネ)のラインナップというのは、かつて明治時代に日本に西洋の文化が入ってきた頃のように、イギリスやイタリアなどヨーロッパの伝統あるメゾンの物作りと、日本人の飾らず質素な様を美しいと感じる感性を掛け合わせた、クラシカルな物作りが特徴でした。

なので、ヨーロッパの老舗タンナーから上等な革素材を仕入れたりして、いわゆる昔ながらの物作りを守るスタイルだったんですね。

しかし、近年ではITが発達する等して、ビジネスワークやライフスタイルが大きく変化し、同時にバッグなど道具に求められる機能も大きく変化しました。

そこで2020AWのコレクションでは「原点回帰」「変化」という2つのキーワードを掲げ、SONNE(ゾンネ)がこれまで培ってきたクラシカルな物作りの感性を残しつつも、バッグの素材やレイアウト等を大きく現代的に見直したのです。

バッグ業界の敏腕プロデューサーが企画管理を行う、新生SONNE(ゾンネ)

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SONNE(ゾンネ) グレースシリーズ トートバッグ ブラック 22,000円(税込)

2020AWからSONNE(ゾンネ)が変化したのは、実はデザインや素材だけではなく、製品の企画管理責任者であるプロデューサーも変わりました。

そもそもSONNE(ゾンネ)の運営元というのは、日本の高級バッグブランド「ペッレモルビダ」等のPB(プライベートブランド)も手掛ける、国内最大手のファッションブランド輸入代行業者「ウエニ貿易」です。

ウエニ貿易は元々の土壌が輸入卸業者なので、社内に職人やデザイナーがおらず、外部の人間や工房に外注という形でPBの運営を行っているんです。

まあこういった方式は商社などでは良く見られるスタイルなのですが、ウエニ貿易は何と言ってもファッション業界最大手の企業なので、ファッション商材における感性の鋭さや知識の明るさ、使える予算なんかも他社の比じゃないんです!

今回、SONNE(ゾンネ)の2020AWコレクションを担当したのは、実は過去に別ブランドの時にも僕らが大変お世話になった、バッグ業界の敏腕プロデューサーなんですよ!!

バッグブランドの企画管理や舵取りは、この人に任せておけばまず間違い無いという凄い方で、デザイナーや工場の選定など、全てにおいてこちらの方が企画管理されております。

特に今回採用された新素材は、プロデューサーが以前から隠し持っていたとっておきの素材だそうで、今回のSONNE(ゾンネ)企画は大変に自信のある内容に仕上がったと仰っておりました。

ハンドメイド製品の品質を見抜く秘訣とは?

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SONNE(ゾンネ) グレースシリーズ バックパック ブラック 24,200円(税込)

これまで僕が東京ヒマワリ運営だけでなく、過去にアパレルショップの店長をやってた頃の経験も踏まえて感じる事は、バッグや財布などハンドメイド製品の品質を決めるのは、ブランド名ではなく、デザイナーや職人ではなく、生産国でもなく、素材等のクオリティーでもなく、企画管理を行う人間の能力だと思うんです。

優秀な職人やデザイナーとは言っても、何でもかんでも優秀なわけではありません。得意なジャンルや技術などがあり、得手不得手はあるという事です。

また、消費者レビューの評判も参考にはなりますが、当然そういったレビューを書く人の大多数は素人ですし、またハンドメイド製品において個体差や不良品というのはどうしても発生してしまいます。

たまたま発生した不良品が、たまたまクレーマーの手に渡っただけでも商品レビューはガクッと下がってしまいますし、やはり商品レビューだけで本当の価値というのは測れないと思うんですね。

優れたプロデューサーというのは、優れたデザイナーや職人、タンナーといった人脈を数多く築いており、更にはその得手不得手なんかも細かく把握しております。企画する内容に応じて適材適所で優秀な人材を配置し、だからこそ優れた製品が出来上がるというわけです。

SONNE(ゾンネ)は安物?いえいえ、それは大きな勘違いです

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SONNE(ゾンネ) グレースシリーズ オープン トートバッグ ブラック 19,800円(税込)

SONNE(ゾンネ)の販売価格帯は、他の国内ブランドと比べれば、いわゆるミドルクラスとなります。

高級百貨店のメインコーナーに並ぶペッレモルビダの本革バッグは、大体価格が5~6万円くらいになりますが、SONNE(ゾンネ)の場合は2~3万円となります。

では、価格相応に品質が劣るのかと言うと、そういう事では無いんですね。

この価格差の理由の一つ目は、発注ロットです。物作りを仕事にされている方なら分かるかと思いますが、製品というのは発注数量が多ければ多い程、単価は安くなります。

ウエニ貿易は全国規模の販路を確保している上、強力な資金力もある企業なので、小さな企業では発注不可能な大量ロットでオーダーが出来るのです。

そしてもう一つは、生産地です。ペッレモルビダは国産ですが、SONNE(ゾンネ)製品は全て海外(アジア)製となっております。

「えー!海外製って事は品質悪いじゃんー!」と、思われる方も多いと思いますし、心中お察し致しますが、これは根拠としては全く成立していないんですよ。

高級ブランド製品の品質表示タグを見てみて下さい、有名ブランドのロゴが掲げられた裏側に、しっかりと海外製と明記されている製品はいーーーっぱいございます!

そもそも、こういったファッション製品の生産元の主役は、日本やアメリカやヨーロッパではなく、アジア諸国なのです!それはどういう事かと言うと、最新の技術や機械の多くは、アジア諸国の工場にあるという事なのです!

海外の工場と言うと海外の人が管理しているイメージがありますが、日本もアメリカもヨーロッパも、様々な国の人がアジア諸国に工場を建てて、自国の責任者を工場に送り込み、現地の人達に仕事を教えて低コスト高品質な製品を生産している、なんていう場合もたっくさんあるのです!

また、「made in italy」と記載されていても、実際はイタリアでは最後の仕上げしかしておらず、主要の作業はアジアで行われているなんて話は良く聞きますが、これはもしかしたら詐欺だの何だのではなく、単純にアジア圏で生産する方がクオリティーが高いからという理由もあるのかもしれません(個人的な想像です)

ペッレモルビダは、国産である事がブランドのポリシーとなっておりますが、SONNE(ゾンネ)の製品は、機能性や美しさを求めているだけなので、当然海外で生産した方がコストパフォーマンスも含め全面的に有利なんですよね。

このように、生産国で品質を決めるというのは完全な誤りであるにも関わらず、世の中の評判では「やっぱり日本製は品質が良く~」とか、「やっぱ○○製は品質が悪く~」という声を良く聞きますが、ファッション業界のプロの間でそんな言葉を聞く事はまずありません。

海外製は品質が悪いというイメージがついてしまった理由

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SONNE(ゾンネ) グレースシリーズ ボディバッグ ネイビー 14,300円(税込)

なぜ一般消費者の間で海外製は品質が悪いという評判が一般的なのかと言うと、まあ国際的なイメージもあるかもしれませんが、基本的には「実際に海外製の製品がすぐに壊れてしまった経験があるから」だと思います。

でもよく考えてみて下さい、その製品、いくらで購入しましたか?

日本の量販店では2000円~3000円なんて言う海外製のバッグや財布が売られておりますが、そもそもそんな価格で製品化出来て利益まで出せてしまう事自体が凄いんですよね。日本製でその価格で利益を出そうと思ったら、何をどうケチっても成しえないと思います。

では、作ろうと思えば3000円のバッグだって作れる工場で、上代予算3万円のバッグをオーダーしたらどうなるのか!それはそれは素晴らしいクオリティーの製品が出来上がるという事です。

とは言え、海外製品である程度値段がする物は総じて品質が良いんだ~、、と、言う事でもないんです。

物作りにおいて、国内で作るよりも海外で作る方が様々な面においてハードルが高いんです。それは言葉の違いであったり、文化の違いであったり、物理的な距離による視察等の難しさであったり、、そういった部分で躓いてしまった製品というのは、いくら高価であっても当然品質は良くありません。

つまり何が重要なのかと言うと、前述致しました通り企画管理を行う人間の能力が何よりも重要なのです。

そして、先程ご紹介しましたSONNE(ゾンネ)のプロデューサーは、まさに海外での物作りに精通した日本人なのです!!日本人ならではの細かな気配りと、海外生産による圧倒的なコストパフォーマンス、これらが組み合わさったからこそ、新生SONNE(ゾンネ)は凄いんです!

という事で、SONNE(ゾンネ)の評判を確かめに来られた皆様、お楽しみ頂けたでしょうか?

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SONNE(ゾンネ)の製品は、クラシカルなデザインも人気の秘訣ではありますが、とにかくその品質とコストパフォーマンスが異常値なんです!

イタリアのタンナーから仕入れたハイブランドと同等の革素材を使用し、裁断縫製も抜かりなく仕上げているにも関わらず、お値段は高級ブランドの半値に近いような価格(もちろんSALE価格ではなく定価)がつけられている製品も存在し、何故この売値で利益が出るのか私達も不思議です!(笑)

ウエニ貿易は、ブランド運営企業などに向けてOEMやODM(受託製造)なんかも手掛けているので、こういったPBでコスパの高さをアピールする事によって、新たなビジネスチャンスを掴む事にもなるのだという事です。

という事で、本当はまだまだお話したい事が山ほどあるのですが、長文が過ぎて参りましたので、この辺りで終了とさせて頂きます。

SONNE(ゾンネ)は今回のブランドリニューアルによって、ますますデザインやレイアウトに磨きがかかり、ハイブランド製品の良さを知っている人でも、十分に満足感を得られるミドルクラスのジャパンブランドという印象に仕上がったなという感想です。

特に今回の新シリーズでは、本革ではなく高機能化繊素材を採用している事もあり、実用的でありながら所有欲も満たされる会心の出来だと思います。

商品個別のお勧めポイントは、各商品ページで文章で紹介すると同時に、動画でも詳しく紹介しておりますので、そちらも是非チェックしてみて下さいね^^

以上、おしまい!SONNE(ゾンネ)商品一覧ページ

カバン屋の俺が、SONNE(ゾンネ)の評判&品質を徹底解析します」への2件のフィードバック

  1. 山下哲夫

    ゾンネのグレースの3wayブリーフケースについて、素材は加水分解を起こしたりするような生地でしょうか。

    返信
    1. iinon 投稿作成者

      コメントありがとうございます、東京ヒマワリの担当、猪野でございます。

      ご相談頂きました加水分解の件ですが、ほぼ心配無いかと思います。加水分解はスニーカーのソール等によく使用されるPU(ポリウレタン)やゴム等に起こりやすい症状ですが、こちらはナイロンポリエステルが表面素材となりますので、加水分解は起こり難いと思います。

      表面裏地にはラバーの層がございますので、こちらに関しては加水分解しないとは言い切れない部分かと思いますが、スニーカーのように直接水につかるような事もほぼ無く、表面には晒されておりませんので、ほぼ心配無いと思います。

      防水性や防汚性もございますので、生地の堅牢度はとても高い素材となります。是非ご検討頂ければと思いますので、何卒宜しくお願い致します。

      返信

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